インタヴューに力を入れたいと思う理由。

写真に特に深い意味はありません
写真に特に深い意味はありません

 

こんにちは、ポプシクリップ。です。

 

 

今回のテーマは「僕がインタヴューに力を入れたいと考えている理由」です。そこで私の今までのアーティスト・ミュージシャンに対する認識の変遷を書いてみたいと思います。ただの思い出話ですが、よかったら皆さん個々人のミュージシャンに対する想いと重ねて読んでもらえたらと思います。

 

 

つい数年前まで、私はアーティストやミュージシャンというのは、遠くにある存在で、人であって人でないものだと勝手に思い込んでいました(笑)。例えばテレビやラジオの音楽番組に出てくる人たちは、選ばれた人間で、神のような存在といったら大げさですが、そのようなイメージを持っていたんです。ネットもない時代です。田舎に住んでいたというのもあり、テレビ、ラジオ、雑誌などのメディアを通じてしか知ることができなかったので。確かにそこには存在はしているけれども、掴みどころもない存在といったらいいのかな。生活感を感じさせない彼らに神秘的なものを感じていたのかもしれません。


 

90年台後半に大学に入りライヴを見にいくようになりましたが、そこでもその思いは変わりませんでした。ステージの上で次々と繰り広げられる演奏や歌で多くの人を感動させている姿を見ると、別世界の人たちだと。当時はテレビや雑誌に出ているメジャーバンドしか知らなかったため、その段階ではある程度アーティストとして一定程度の域に達している人たちばかりを見ていたという事情もあると思います。

 

 

その後社会人になりたまたま宣伝やプロモーションの仕事を担当するようになってから、少し見方が変わりました。広告代理店にはじまりアーティスト、事務所、レコード会社、レーベル、各メディア会社の関係や構図などが見えてきたんですね。アーティストの音楽が作品となって世に出ていく流れ、お金の流れ、各メディアの役割なども含めて、色々知るようになります。するとそれまで神のごとく見えていた世界が一転、ミュージシャンが自分の中でリアリティのある現実世界のものだと知覚するようになりました(音楽と離れた業界で仕事をしているのですが、何度かキャンペーンなどで関わることがあり、そこで舞台裏を知る機会をいただきました)。大雑把にいうと、アーティストを神秘的に見せていた魔法(テレビやラジオ、雑誌などメディアの仕組み)を構造で分解できるようになったことで、魔法に見えていたものが現実解として認識できるようになったということです。


 

もし自分の周りにアーティストやミュージシャンがいたらもっと早く気付けていたでしょう。大学のけいおん!サークルに入ったら先輩がミュージシャンとして活躍していて・・・といったような環境にいたらもっと身近で当たりまえのことのように感じられたと思います。もしくはアーティストのスタッフをやったり、音楽業界の制作側やマネジメントの仕事をしている人であれば、当然のごとく理解されていると思います。でも私の場合はそれとは縁の遠い世界にいたのでわからなかったんですね。私の友達は会社員ばかりだし、音楽業界で働いている人は一人もいないし(笑)・・・そんなこともあってアーティストが自分と同じ一人の人間であることを肌で感じるようになったのは、20代半ばを過ぎてからです。遅いですよね(笑)。

 

 

仕事ではじめて話したミュージシャンはPE'Zでした、多分。ほんの数分だったかと思いますが、プロモーションでお世話になってなんかのライヴのバックステージで。とても緊張していて何を話したかは覚えていません。ただ、このとき気付いたのはミュージシャンと話すことってできるんだ、というごくごく当たり前のことでした。仕事とはいえ少し不思議な感覚に陥りましたね。メディアに携わっている人なら誰しもが有名人に会ったときに最初に通るあの感覚です。ちょっぴりミーハー気分で、でも非常にドキドキして相手の顔をまともに見るのが怖くなるような、あの感覚・・・その後もクライアントの立場で何度か同様のことが続き、次第に話すことには何の抵抗もなくなりました。もちろん初めての方と話すときは今でも緊張するのは変わりませんが(^^;。

 

こうして偶然の仕事を通じてアーティストは遠くの存在というよりも、自分とは違う世界に住んでいる同じ人間である、ということに気付きました。もっというと職業の違いということなのかもしれません(そんな単純なものではないと思ってはいますが、わかりやすくいうとそう見えるということです)。ただこの段階では、仕事での側面や音楽という彼らが放つ作品など外面しかわからなかったため、ミュージシャンはどこかしら別世界の人種である、といった印象はまだまだ拭えていませんでした。

 

 

その後このサイトをはじめてからまた違う景色を見ることができるようになりました。アーティストと直に接し音楽やバンドの話だけに留まらず様々なお話を聞くようになりました。特にインタヴューを行うようになってから、それまでアーティストは違う世界に住んでいる同じ人間だと思っていたのが、同じ世界に住んでいる違う人間であることにようやく気付きました。アーティストはアーティストですが、彼らにも家庭があって、生活があって、自分たちと同じようにときに喜んだり、ときには悩んで苦しんだりしながら生きているということでした。メジャーでずっと活躍し続けている人も、メジャーからインディーズに戻ってきた人も、ずっとインディーズで頑張っている人も、色々な事情で音楽活動が続けられなくなってやめてしまった人も・・・皆さんの中にはそんなこと当然だと思われる方も多いでしょう。ただ言葉では知っていても、直に接するまで私にはなかなか腑に落ちてこなかったんです。

 

 

先日OTONARIという音楽雑誌が発売されました。そこでは働きながら音楽をやっているアーティストの特集があります。アーティストとして世で活動するにあたり皆さん本当に悩んだり考えているんだなということがよくわかります。私自身も色々見聞きする中では、例えば音楽以外の仕事をしていることをオープンにすべきか?、結婚していることを発表するべきか?、持病について隠しておいていいのか?などそもそもミュージシャンとしてプライベートをどこまでオープンにするべきか悩んでいる方は多いです。ミュージシャンというのはプロ野球選手になるのと同じように、夢や憧れの対象だと思うんですね。だからこそ、アーティストとして世間に向くときは夢の部分や楽しい世界を見せたいと考えている人が多い反面、現実との葛藤に思い悩んでいる人も多い。しかも今は共感が求められたり360度戦略が必要だといわれている時代だからこそ、今まで以上に悩んでいる人が多いように感じます。そのようなお話も伺うようになってから、私の中の価値観も次第に変わっていきました。サイトでの紹介の際も、どう在ると個々のアーティストとリスナーにとっていいのかを考えるようになりました。

 

 

サイトを通じてアーティストの様々な側面を知る機会に恵まれて心から良かったと思います。何故なら知ることで現実を理解し、それに即した提案が少しずつできるようになってきたからです。もちろんアーティストのアーティストでない面は知らないほうがいいのかもしれません。ここは意見が分かれるところです。知って幻滅したという話もよく聞きますしね。僕も最初は少し衝撃を受けましたが、もういい社会人なので(笑)。ただ私がポプシクリップ。を運営していく上ではそれらを知ることはとても重要なことでした。今までインタヴューさせていただいた多くのミュージシャンの皆様にはとても感謝しています。今後の活動を考える上でとても勉強になっていますし、何らかのかたちで恩返しができるようにしたいです。

 

ちなみにインタヴューをするようになってからとは書きましたが、今の時代はホームページ、BBS、ブログ、ツイッターにフェイスブックなどアーティストが自らをセルフプロデュースして発信する時代です。アーティストが何を考えているのか、どこへ向かおうとしているのか、昔より格段に触れることができるようになりました。表に出てきて心情を語るミュージシャンも増えています。なのでリスナー・ファンの立場として彼らを応援したいという方はぜひこまめにチェックすることをオススメします。知ることで、理解が深まりより彼らの活動に共感できるようになると思います。

 

 

上記経緯を踏まえてインタヴュー、対話を通じて自分の中の理解を深め、ファン・リスナーとアーティストへのより良い提案ができないかと思います。そのためにも今年はインタヴューの機会を増やしていくつもりです。とはいえ・・・世の中には音楽ライターさんやインタヴュアーさんがごまんといるので、私の出番なんてどこにもないような気もしなくはありませんが(笑)、今しばらくはニーズも含めて確かめながら動いていこうと思っています。 

 

 

とりとめもない文章になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。