イベント&制作後記。Swinging Popsicle ワンマンライヴとポプシクリップ。10周年と次の10年に向けてなんとなく考えていること

こんにちは、ポプシクリップ。@ミオベルレコードオーナー兼音楽パブリシスト兼POPS Parade主催者です。

 

4月27日にSwinging Popsicleとのコラボイベント、【Add Some “VINYL” To Your Day】× POPS Parade vol.24『Swinging Popsicle One Man Live -MONO MIX EP付-』を開催、おかげさまで満員御礼と大変多くのお客様に来ていただくことができました。お客様はじめ平田さん、藤島さん、嶋田さんらメンバー、いつもお手伝いしてくれるポプシクリップ。のスタッフ、高円寺HIGHのスタッフ、その他プロモーションにご協力いただいた関係者など皆さんのおかげです。ありがとうございました。

 

※5/4一部加筆修正

※5/7写真追加

※5/9一部加筆修正

 

実はポプシクリップ。はブログ時代から数えると、4月15日に10周年を迎えました。

 

半年ほど前からか、来年は10周年だし、何か記念イベントをできないかなと考えてはいたんだけど、スケジュールが合わなかったりとポプシクリップ。らしさが出せないなあとか、悶々していて。そもそも10周年の意味って何だろうっていう。ただ10年経っただけじゃんていう、それだけでやってもなあっていう。

 

でも昨年の秋ごろにSwinging Popsicleの7インチモノミックスレコードのリリースの話がまとまって、それでメンバーから”配布リリース”、アナログを配る形でイベントをやれたら面白いよねという提案をもらって。もともとライヴハウスイベントを提案していたから、これだったらやりがいもあって、ポプシクリップ。らしいイベントになると思った。

 

気持ちとしては120点、成果も出せた。でも細かい運営や実務の不手際もゼロではなかったので90点かな。来場者の記憶に残るイベントにできたかな。10周年の冠こそつけていないけどね、僕にとっては節目となる10周年記念イベントになった。

 

今回、マガジンは作っていないけど(間に合わなかった、笑)、音楽レーベルとして7インチレコードをリリースさせてもらえたし、POPS Paradeとしてイベントもやらせてもらった。音楽パブリシストとしてPRをいつも以上にやれて結果も出せた。全てが楽しく有意義で、新たな学びもあるものだった。

2018年3月4日開催のPOPS Parade Festival 2018。この時のつながりがその後の作品作りにもつながっていたりします。
2018年3月4日開催のPOPS Parade Festival 2018。この時のつながりがその後の作品作りにもつながっていたりします。

きっかけは去年のPOPS Parade Festival 2018。

このときSwinging Popsicleのソニー時代の37曲入り編集盤『TIME TRAVEL』のリリースのお祝いも兼ねて高円寺HIGHでイベントをやったんだけど、そのときの彼らのステージがものすごくよかったんだよね。関係者もみんな絶賛していた。僕は彼らのライヴを数え切れなく見ているけれども、間違いなくトップ3に入る。

 

ライヴハウスでのステージ、アコースティックセットとは違う魅力があったのを再認識した。次やるならばライヴハウスワンマンかなあと。決してライヴバンドではないけれど、ステージでもっと輝けるバンド、それがSwinging Popsicleだと思った。これは僕だけじゃなくて関係者もファンの友達もそんな感じだった。

 

モノミックスのアナログリリースのきっかけは、昨年作ったコンピレーションアルバム『IMAGINE THE FUTURE』に収録した彼らの「Small Blue Sailboat」のモノミックスの反響がよかったこと。僕自身とても気に入っている作品だけど、それ以上に周りからも評価していただいた。

 

それまでもレーベルとして数枚作品をリリースしてきたけど、直接のアルバム制作に関わっていない業界の方や第3者リスナーから絶賛されたのは初めてだった。ファンではなく、それまであまりレーベルの作品を聞いていなかった第3者、リスナーの立場の人からっていう意味ね。

 

それはこのコンピがマガジンの付録だったから、それまでよりも多くの人に拡がった、届いたということもあるんだろうし、そもそも彼らの音楽が素晴らしいからというのもあるけど、何にせよ嬉しかった。何でもドライブしながらこのコンピを聴くとすごく気持ちいいんだっていう、そんな話を複数の人から聞いた。僕は普段運転しないからわからないけど、どうやらそういうものらしい。

今回もステレオ向けの曲を”モノミックス作品にする”、という流れで作ってもらった。ただ、モノミックスを手がけてくれたエンジニアの川口さんから、モノミックスをもっと極めるならば、最初から、つまりレコーディングのやり方や機材の選定、アレンジも含めて最初からモノ用に考えてやるともっと面白いよという話もあって。メンバーも興味あるみたいなので、次にやるならば、レコーディングからやれたら面白そう。

SIDE A
SIDE A
SIDE B
SIDE B

デザインについてはコチラのブログで書いたから。

Swinging Popsicle、モノミックスレコードのアートワーク

PR(Public Relations)はニュースサイトへの記事出しと雑誌での取材企画、ラジオの生出演などを。今回不思議な感覚というか、特別なことは何もしていないけど、なんかハマった感じ、手ごたえがあった。

 

「ミュージック・マガジン」さんに取材はすごくよかった。MM誌への記事掲載が彼らにとっても初めてということで、メンバーも楽しそうに取材を受けてくれた。洋楽を下敷きにしているバンドだし読者にも合うんじゃないかと思ったし。記事にはメンバーの取材時の写真も載っているけど、これも候補の中からメンバーに選んでもらって。落ち着いた雰囲気の中での笑顔は、すごくいい写真。きっと10年後に見返してもいい写真だと言えるだろうなあ。フォトグラファーはいつもお願いしている塙さん。

 

ミオベルレコード初の広告も作った。

そもそも何をどのように載せるのか・・・少し前にフェリシティ・レーベルが”COMPACT DISC IS DEAD"というステイトメントを載せた広告を出していて、そういうのもいいかなとは思ったけど、行きつくところやっぱり作品だよなと思って、カタログを並べることにした。

 

構成は僕が考えてデザイナーに頼んで。ポプシクルメンバーにも見てもらって。それで、後から広告の一部スペースにマガジンも追記した。レーベル部分のデザインが少し窮屈になったけど、ほんのちょっとでも故人のことを知ってもらえたらいいなっていう。

取材時の様子
取材時の様子
掲載されたミュージック・マガジン5月号
掲載されたミュージック・マガジン5月号
初めて作ったミオベルレコードの広告原稿。貴重なスペースにポプシクリップ。マガジンをあえて入れたのは、皆さんならわかってくれますよね。
初めて作ったミオベルレコードの広告原稿。貴重なスペースにポプシクリップ。マガジンをあえて入れたのは、皆さんならわかってくれますよね。

「渋谷のラジオの渋谷系」、あの野宮真貴さんとカジヒデキさんがパーソナリティを務める番組ということで、メンバーも喜んでくれた。当初メンバーの一人に、先約の仕事があったんだけど、せっかくの機会だからと、仕事を調整してくれた。ポプシクルのリスナーには渋谷系を通ってきた方がたくさんいるから、これ以上の番組はないなと、ピッタリだった。彼らはカジヒデキさんともピチカート・ファイヴとも過去共演したことがあったり、また野宮さんと平田さんは意外にも共通の知人がいたみたいで、そんな話でも盛り上がっていた。

 

今回どちらの企画もハマったことが単純に嬉しかった。文脈が合っていたんだと思う。

オンエア後メンバーもすごく喜んでくれて、それが一番嬉しくて。

 

MM誌は編集部を紹介してくれたWさん、ラジオ番組はKさんのおかげです。ありがとうございました。

ラジオは下記ホームページで聴くことができるので、まだの方はチェックしてね(トーク部分のみ)

 

渋谷のラジオの渋谷系 #156 後半

ラジオ生出演後の様子。野宮真貴さん、カジヒデキさんありがとうございました!
ラジオ生出演後の様子。野宮真貴さん、カジヒデキさんありがとうございました!

制作面で特に印象深いのは、1日かけて行ったマスタリング~カッティングツアー。

午前中に乃木坂にあるソニースタジオに集合してマスタリングをやり、その足で神奈川にある東洋化成の工場に出向いてカッティング。普通はマスタリングしたデータを”事前に”工場へ送って確認してもらう必要があるんだけど、この日は当日持ち込みで。事前に東洋化成の営業担当者に話したら不安そうにしていたけど、まあ大丈夫だろうと。僕はツアーガイド役を務めた。

 

マスタリングルームに入った途端、何故かアナログテープがまわっていて「あれ?って(笑)」。

なんでもアナログのレンジ感を出すためにアナログテープに一度楽曲を録って、録ったテープから直接マスタリングしようってことになって。そこにアビーロードスタジオでも使われているフェアチャイルドの実機を使って分厚いサウンドに仕上げるっていう、ある意味とてもシンプルで大胆なマスタリングをやってくれた。

 

オールアナログ機材で仕上げて、らしい音作りをしてみようというエンジニアのアイデア。レコードを聴いてくれた方はわかると思うけど、中低域がとても分厚くいい感じになっているのは、ミックスもさることながらこのマスタリングがあってこそ。

 

これってエンジニアが楽しんで実験的にやっているんですけど、そういう拘りがとてもいいなと思う。マジメな遊び心というか、そういうのは好きで。これからももっとやってみたいな。

アナログテープ
アナログテープ
フェアチャイルド
フェアチャイルド
お馴染みマスタリングの光景
お馴染みマスタリングの光景

 

その後お昼を食堂で食べて、ミックスエンジニアとマスタリングエンジニアとそれにカメラマンも一緒に計7人で東洋化成に移動してカッティングの立ち合い。”大人の遠足みたいだね”と嶋田さんが話していたのだけど、まさにそんな感じ。今の時代、個人レーベルでこれをやれることはとても幸せだと思う。

 

でもどうせやるなら楽しんでもらいたかったし、何より納得のいくサウンドにしたかった。今できそうなことは全部やった。この世界はやりはじめたらキリがないし、予算がいくらあっても足りないのだけど、現状できる中では色んな経験ができたし、メンバーも楽しんでくれたから、それが一番っていう。

カッティングマシーン
カッティングマシーン
ツアーガイドとして頑張りました!
ツアーガイドとして頑張りました!

イベントは成功でした。

これははっきり言える。一番のKPI、参考指標としては2年前にSwinging Popsicleがモナレコードで行ったワンマンよりも、はるかに多くのお客さんが来てくれたから。

 

40代になると、ファンも家庭に入って子育てに忙しかったり、会社でも責任者になって仕事が忙しくなったりと音楽以外に時間を取られるようになるから、ライブからは足が遠のく。つまり昔からいた既存のファンだけだったら動員は減る一方で、新しいファンが増えないと維持ができないそれが少なからずとも動員数を大幅にアップデートできたってことは、とてもよかったと思っていて。実績を数字で作れたことが本当に嬉しかった。自分の存在意義を確認できたというか、そんな感じ。

 

プロモーションを頑張ったというのはあるんだけど、それ以上に大事だったのは、ここ数年地道にパブリシストとして取り組んできたことと、CRM(カスタマーリレーションマネジメント)で、これは一朝一夕ではできなくて、ほんと日々の積み重ね。来場者数以外の指標もそれを示していたから、ああよかったなって思えた。

 

プロモーション、個人レーベルだと確かになかなか難しい。

それでも先にやったようなことはできるし、最近だとthree berry icecreamやコントラリーパレードがApple MusicやSpotifyの公式プレイリストにも入るようになってきた。頑張ればそれなりにできることもあるというのがここ数年感じていることで。宣伝に関してはメジャーが圧倒的だし、そこは長年やられているレーベルの経験値が圧倒的だけど、インディーでも何かしらできることはあるとは感じている。

 

 

これまでの10年は「いい音楽を一人でも多くの人に伝えること」に力をいれてきた。

次の10年では「ミュージシャンがやりたい制作環境の構築と提案、それとマネタイズ、DIYミュージシャンにきちんとお金が回り継続的に作品が作れるような仕組みと環境作り」。ベースキャンプと言うと大袈裟なんだけどね。いわゆる事務所とも違う。でもミュージシャンの集まれる場というか、DIYミュージシャンの活動に役立つ場というか、まあそんな感じのことにチャレンジしたいなと思っている。

 

実は今年1月にレーベルの新年会をやったときに、音楽業界の最新のトレンドやノウハウをプレゼン、勉強会みたいなものをやったところ、すごく評判がよかった。パワポで40ページ位の資料を準備して。そういうのも含めてレーベルらしさ、ポプシクリップ。らしさを出してミュージシャンに貢献できればいいなと思っていて。

 

「伝える」だけと違い、当事者にもなり、原盤制作はじめお役立ちをすること。役割と責任、何よりリスクを負うのはプレッシャーだし、僕なんかでいいのかっていう自問自答は常にしている。でもこの10年やってきたなかで一つだけ明確なことは、情熱があれば少なからずミュージシャンの方々に貢献できるし、情熱さえあれば、スキルが追い付いていなくても助けてくれる人は現れるってこと。意識して続けていけば自ずと結果も出るってことかな。何よりも僕がそれをやりたいって思えるたくさんのミュージシャンと出会えたってことが大きいよね。

 

 

「ポプシクリップ。」は元来音楽雑誌「POPSICLE」はじめ、偶然知った3つのポプシクルが名前の由来なんだけど、次の10年はそこからさらに拡がるようにはしていきたいね。レーベルを始めたのにはそんな意味もあるし。

 

それと「ポプシクリップ。」ってちょっともじると「ポップスクリップ。/POPS CLIP」なんだ。「ポップスクリップ。」って言ったら僕がやってきたことの意味もわかるかな。過去これを読み解いた人が一人だけいるんだけどね。10年前、立ち上げのときに「POPS CLIP」にしようかは悩んだんだけど、せっかく出会った「3つのポプシクル」がやっぱりいいなと思ってそのままにしたんだよね。こんな話誰も興味ないと思うけど、一応書いておきます。

 

明日元号が変わる。

元号変わっても、何かが起きるわけでもないし、自分が変わらないと、自分が動かないと周りも変わらないのはきっと一緒。だからこれからも色んな提案をしながらやっていきたいなと思う。

 

これまでの10年ありがとうございました。

次の10年もポプシクリップ。、ミオベルレコード、POPS Paradeをよろしくお願いします。

 

 

・・・当面はマガジン制作に励みます。