スクラップする感覚で電子書籍を楽しんでもらえたら・・・

 

こんにちは、ポプシクリップ。です。

Swinging Popsicleの電子書籍(無料版)が、地味に少しずつダウンロードを伸ばしているようです。ありがとうございます。

 

 

もともと何故電子書籍化をしようと考えたのか?

ここには僕なりのいくつかの仮説と想いがありました。

音楽ファン・リスナーとマイクロコンテンツとソーシャルネットワークサービスの相性が合うという仮説です。

 

1.環境面が整ってきた

・スマホ、タブレットの普及に加えてAmazonの上陸、楽天のkobo、凸版など出版社、ソニーなどの大手が参入し、コンテンツと閲覧環境がともに整ってきたこと

・パブー、BCCKSはじめとしたサービスやアドビ、一太郎の有料ソフト、フリーウエアまで電子書籍を制作するツールが出揃い個人出版の敷居が下がったこと

 

2.電子書籍への潜在ニーズ

・ソーシャルネットワークとマイクロコンテンツの相性が良いのではないかということ。

さらっと気軽に読めてかつそこそこの分量があるもの、例えば電車の待ち時間など5分から長くても15分程度で読めるものが望ましく、その上で電子書籍の場合はDLしておけばいつでも続きから読めるというWEBにはない利点があること。

・ここ数年著名人が、適度な分量の有料メルマガを配信し、その市場が拡大していることからも、ある程度予測はつくこと。まぐまぐ、BLOGOS,cakes,Magalryなどなど。

 

3.音楽ファンの所有欲と合致するんじゃないか?

・音楽ファン、リスナーには所有欲があり、WEBで見るよりも自分の手元に持っておきたいニーズがあるのではないかということ。そしてファンはそのコンテンツを一定程度大事にしてくれるのではないかということ。WEBでは読んで終わる、使い捨てとなるコンテンツも自分の端末の本棚に並ぶことで、それなりの愛情をもってくれるのではないか、昔みんな音楽雑誌を切り抜いて好きなアーティスト毎にスクラップしていたでしょ?あれこそマイクロコンテンツの走りであり、あの感覚が今でもあるんじゃないかと。

 

4.その他

・音楽記事の編集者、ライターの努力を少しでも形にしたいと思ったこと。

etc.

 

サイトをはじめて4年が経過しようとしています。

まがりなりにも続けてきて思ったのは、読み捨てられる記事がどれだけ多いことか、ただその記事にも多くの努力が詰まっているということです。でもそれはあまり報われていない人のほうが多いんだろうなあと思います。実際に音楽記事を書くライターの原稿料相場って一部を除きかなり安いのが実態のようです。これがIT業界のライターだと金額が数倍になるそうです。憶測ですが技術動向などの専門知識が求められるからなんでしょうね。

 

ある音楽サイトのニュース記事を書いている人に記事ひとつ書いたらいくらなのか聞いたら、数百円という答えが返ってきました・・・。その方はアルバイトなのですが、とはいえ掲載されているのは誰もが知っている有名な音楽サイトです。記事の質も問題はありません・・・確かに一定程度コツがわかれば誰にでもできるからなんでしょうが、それにしても厳しい現実だと感じました。普通に考えたら一時間以上はかかる作業だからです(記事の裏取りをどこまでするかにもよるでしょうが・・・)。

 

あと場合によっては無料のときもあるそうです。音楽ライターの場合、無料でも書きたいという人がいるかららしいのですが・・・競争が激しいということでもあるのでしょうし、音楽雑誌、WEBサイトともにその多くを広告収入に依存している業界構造の中で、主となる広告主であるレコード会社やアーティストサイドも余力はないし、雑誌も売れないし・・・で原稿料を出したくても出せないという厳しい現実なんだろうと思います。でも考えてみてください、取材して写真撮って原稿書いて編集してデザインして・・・普段読んでいる、読み飛ばしている記事って結構人手や工数がかかってしまうものなんですよね(笑)。

 

マイクロコンテンツが増えた場合、ひとつひとつの単価は上がりますから、そのうち取り放題というサービスも出てくるでしょう。現にそのようなサイトも既に存在はしていますし。ただ僕が思うにこういったマイクロコンテンツの意義というのは、好きな人にグサっとささるということだと考えています。つまり従来の音楽雑誌のように色々なコンテンツでパッケージされているものを買う人と、記事単位のようなマイクロコンテンツを買う人というのはユーザー層、ニーズが異なるだろうと思っています。

 

僕は昔L⇔Rの記事を集めていた時期がありました(笑)。そのときは音楽雑誌をたくさん買って、各雑誌からL⇔Rの記事だけをきりとって別のファイルにまとめてそれを読んでいたんです。このときたくさん買っていた音楽雑誌のL⇔R以外の記事は読んでいたかというと、それは気になるアーティストの記事は読んでましたが、それ以外はあまり読んでいませんでした。それは僕がL⇔Rオタクだったからなんでしょうが、でもこのスクラップする感覚って音楽ファンやリスナーの人たちって持っていると思うんですよね。

 

 

このサイトはストリートチーム型を採用していることもあり、いわゆる広告収入というものは取り入れていません。だからこそ自由に自分達が良いと思ったアーティストを応援する活動ができます。一方予算が厳しいため制約があるという現実もあります。周囲からは広告いれたらいいのにと言われるのですが、それをやる意義が今のところ見当たらないんですよね。やるにしても何かしらの成果報酬型でアーティストやファンに貢献できるかたちにしたくて模索中です。

 

とはいえ細々とでも続けていくには、自分達で活動費を維持するための仕組みも作る必要はあるとは思っています(最悪なくてもまわるような仕組みにしてはいるとはいえ、健全ではないので)。ファンの方々に応援してもらえる、認めてもらえるようなものを今後いかに提供できるか、イベントもそうですし、今回チャレンジしている電子書籍というのもひとつの方向性としてあり得るのではないかと。

 

電子書籍については今後もトライさせていただく予定です。

今回は過去の記事を電子書籍化しましたけど、今度は未公開の新着記事の電子書籍先行配信なども考えています。無料の場合、有料の場合、付加価値のつけかたなど色々なケースでチャレンジさせていただければと思っています。もちろんWEBでの活動もこれまで通りやっていくつもりですので。

 

日々試行錯誤ばかりですが、地道にやっていこうと思います。 

 

まとまらない文章になってしまいましたが、最後まで読んでくれてありがとう。

今後ともよろしくお願いします。