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MEET MUSIC Vol.27 竹中仁見・吉田 仁 Salon Music

 

 

 

 

selected by 竹中仁見・吉田 仁(Salon Music)

わが道を行くヒッピー男子


──オススメの名盤を3枚教えてください。

 

こんにちは。Salon Musicの竹中仁見です。

小さいころ、お小遣いがたまると「モンキーズ」のシングル(ドーナツ盤ですね)買って、チョコ買ってグッズを当てて

ポスターはって、みたいなモンキーマニアでした。ある日曜日、いつもの吹き替えショウではなく、突然スペシャル番組があり(海外ロック番組は当時めずらしい)その中で「ピーター・トーク」が白いけむりのモヤモヤの中、上半身裸であぐらをかき低音倍音で歌っていたのです。いわゆるサイケデリックな光景で、これが私のヒッピー男子はいりこみ第一弾となりました。69年の事です。ずっと後にビデオでそれを見れることになり、ピーターは裸ではなくちゃんとインド系な服を着ていたんですけどね・・・。

いつもおどけたキャラクターを演じていたピーターはその番組の後すぐにグループを脱退します。子供ながらにあの姿が真実に近いんだと思いました。

そんなわけで、その後もそんな音楽そんな男子には惹かれ続けています。

 

 

 


1枚目

Joy of a Toy [Import, from US]ケビン・エアーズ,ジョン・ケール

2006/12/12 release

※オリジナルは1969年の作品



 

Joy of a Toy

ケヴィン・エアーズ

 

「ケヴィン・エアーズ」をよく聴いていたのは74年から76年位、つまり「イーノ」や「ニコ」達との『June 1st 1974』~『Confessions of Doctor Dream & Other Stories』~『Sweet Deceiver』~『Yes We Have No Mananas』のプログレからボサノヴァまでの多様な音を展開していたアルバムあたり・・・なのですが、今回この文章を書くにあたり、今の気分に一番すっと入って来たのがそれ以前の1969年作『Joy of a Toy』でした。「ロバート・ワイアット」や筋金入りのヒッピー、「デヴィッド・アレン(ドラッグでイギリスに再入国出来ずにフランスでゴングを結成・・という噂)」等とカンタベリー系の代表バンド、「ソフト・マシーン」を作ったものの、ツアー後彼女とヒッピーの聖地イビサ島に住んでしまって脱退。
                  

その後のソロ一作目の作品がこれです。

 

カンタベリーも引き継ぎつつもっと自由で楽な印象だったのですが、今聴くと「ロキシー・ミュージック」や「イーノ」はここから影響受けたんじゃないかと思える感じが散らばっていたり、ケヴィン自体の要素がすでにここには詰まっていました。80年代に本人と話す機会があったのですが、伝説の人に会っているこちらの緊張とはまるで違うほんとに無防備というかヒッピーのまま年をとったんだなあと、ふわっとした気分になりました。

 

 

 


2枚目

A Gift from a Flower to a Garden [Import, from US]ドノヴァン

1994/07/07 release

※オリジナルは1968年の作品

A Gift From A Flower To A Garden

ドノヴァン

 

スコットランド生まれの「ドノヴァン」は、1966年から70年位までかなりのアルバムをリリースしヒットさせていて、本当にいい曲がいっぱい。はじめての人は『Donovan's Greatest Hits』もオススメ。

 

サイケデリック・ポップとか、アシッド・フォークとかいわれていて、スタイルやアルバムジャケットのセンスからしても60年代の吟遊詩人という感じ。実は複雑なメロディラインもスッとふところに入ってくる。

                  

このアナログ2枚組boxは『O Boy』のミックス中にロンドンのベイズウォーターの中古屋さんで見つけた68年のアルバム。

 

元「ザ・タイガース」の岸部シロー氏は71年の田園コロシアムライブにてソロでドノヴァンの「Lalena」を歌っています。当時アメリカでヒッピーな生活をしていたシローをメンバーが日本に呼び寄せたという逸話もあながちウソではない気がするでしょ?

 

 

 


3枚目

Madcap Laughs [CD, Import, from US] シド・バレット

2010/10/11 release

※オリジナルは1970年の作品

The Madcap Laughs

シド・バレット

 

「シド・バレット」に関してはあえて説明する必要もないほど、世界中のミュージシャンの根っこに潜んでいる人ですが、ここはやっぱり外せない・・・。

ヒッピーという言葉のくくりもすでに当てはまらない場所、もっとずっと向こう側に行ってしまったわけですが、いわゆる精神の覚醒とか混沌とかから発せられた音とか、それなら行っちゃった人はみんなすごいわけで、そうじゃないわけで。なんか彼は凝縮して輝いた、ただただ’天才’なのだと思う。

                  
「ピンクフロイド」も私はやっぱりシドの頃が好きだし、その頃の映像を見ると、彼はすごい生きてるし。

──名盤との出合いで印象的なエピソードなどがあれば。

 

例えば洋服屋さんとかショップで聞こえてくる曲とか、気になったら以前は思い切って店員さんに聞きました。店員さんがオムニバス・テープ作って流してたりしてた頃ですね。これ逃したらこのバンドもう聞けないって思いましたから。

ネットで探したりもできなかったし。

 

今でも気になる音はその1曲ではなく、アルバムとして聴きたいし、聴くべきだと思います。すこし努力して手にして聴いたものの方が好きの量が増える気がします。

 

 

 

 

 

──リスナーに向けてメッセージをお願いします。

こんにちは。Salon Music の吉田仁です。ここからは僕がお話します。

 

昨年11月に発表したサロンの『Sleepless Sheep』。この作品は9年ぶりのリリースですが、サロン的にはイギリスではじめにレコードが出た時から30周年の年でもありました。だからということでは全然ないですが、81年当時2人とも大好きだったポストパンクと言われた音、「ディス・ヒート」や「スクリッティ・ポリッティ」の頃のラフトレード等のドライ感や気持ち、を持ってレコーディングを始めました。初期に沢山入っていたように、僕のヴォーカルも復活させ、ここ数年よく聴いている「ダーティー・プロジェクターズ」や「MGMT(エム・ジー・エム・ティー)」に代表される様なブルックリン周辺の音響がしみ込んでゆく経過をたどり、ジャケットデザインも含め細部まで丁寧かつフレッシュな感情で作り上げました。ヘッドフォンでもぜひ聴いてほしいです。

 

ここ数年海外国内大小問わず、音楽スタジオの閉鎖が増えています。もちろん自分達もそうである様に機材的にも個人スタジオを持ちやすい環境であることはその要因のひとつだとは思いますが、オーケストラが録れる様な歴史ある所や、いいエンジニアが綿々と繋いできた技術や文化とか、やっぱり無くなっていくのは本当に残念です。

言葉でこんなことを言うのもなんですが、音楽自体のパワーが消えてしまわないように、Salon Musicも他のプロデュース作品も、聴いてよかったという音をちゃんと作り続けていこうと思っています。

 

 

 

 

──ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 


<作品情報>

Sleepless Sheep SALON MUSIC

 

Sleepless Sheep/Salon Music 2011年11月16日発売
  

01. SLIDER

02. IT’S A LITTLE THING

03. BEDROOM

04. MY STRUGGLE

05. TELL ME YOUR THOUGHTS

06. SIGNS OF WATER

07. RAINCOAT

08. JUST IN THE SUMMERTIME

09. IMMATURE CREATURE

10. RAINSTORM

11. WAKE UP SISTER

 



 

Sleepless Sheep SALON MUSIC

 

Sleepless Sheep/Salon Music 2011年11月16日発売
  

01. SLIDER

02. IT’S A LITTLE THING

03. BEDROOM

04. MY STRUGGLE

05. TELL ME YOUR THOUGHTS

06. SIGNS OF WATER

07. RAINCOAT

08. JUST IN THE SUMMERTIME

09. IMMATURE CREATURE

10. RAINSTORM

11. WAKE UP SISTER

 



 

竹中仁見・吉田 仁

(タケナカ ヒトミ・ヨシダ ジン)

salon music 

サロンミュージックは吉田仁と竹中仁見の2人からなるユニット。1981年イギリスにてデビュー。英国SOUNDS誌のジャパニーズテクノポップチャートで、セルフレコーディングのカセットテープ『hunting on Paris』がNo.1になる。翌82年、英国フォノグラムレコードよりリリースの『Tokyo mobile music』に収録され、のちにシングルカットされた。

1982年カセットマガジンTRA #2に参加、83年にはCM曲のシングルをリリースし、同年ファーストアルバム『my girl friday』を発表。84年には高橋ユキヒロ氏プロデュースのセカンドアルバム『la paloma show』をリリース、渋谷公会堂でライブを行う。89年英国の映像作家アンディG.とアランF.P.のスライドとのコラボライブpsychic ball night。2000年にはヨラテンゴ、2001年スパークスのオープニングアクトを務める。

そのかたわら90年代から、吉田仁はフリッパーズ・ギターを皮切りに他アーティスト作品のプロデュースやミックスを多数手がけるようになり、現在もSCLL、カジヒデキ、ザ・コレクターズ、シスタージェットのレコーディングが進行中。これまで13枚のオリジナルアルバム、各レコード会社編集のベスト盤(98年のgirls at our tratt's best! は新録やremix入り)をリリース、15枚のコンピレーションアルバムに参加。

2011年11月16日に9年ぶり待望のニューアルバム『Sleepless Sheep』をFelicityよりリリース。

 

 

 

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掲載日:2012年02月20日

 

 

 

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