小沢健二 『ひふみよ 小沢健二コンサートツアー 二零一零年 五月 六月』@NHKホール 2010.6.10 Thr.

小沢健二 ひふみよ

 

 

心底感動し、驚きの連続だった小沢健二の初ライブ!

 

 

なんか次元が違うというか、なんていうか。

言葉にしづらいけどそのときの感動を書いてみよう。

 

13年ぶりのライブ。とはいえ僕にとっては生まれて初のライブだ。一緒に行った妻は前にもいっているから久しぶりという感覚。僕の場合は小沢は音楽、特にギターポップの世界にいざなってくれた神様みたいな人。(別に神格化するつもりは全くないけどここではあえてそう書いてみる)根強いファンの多いFlipper's Guitarではじめて彼を知る。多くのみんなと同様に衝撃をうける。そしてソロ活動を知り「LIFE」「犬キャラ」「球体」「ある光」などなどCDを買い漁って聞いて、カラオケでも歌ってたのが今から12年前だろうか?その頃ライブはやらなくなっていた小沢。つまり後追いだった自分にとって小沢健二の存在はリスペクトしながらも実在しない人のひとりだった。そんな小沢がライブをやるということで、とても楽しみにしていた。

 

ちなみに今回のツアーチケットほぼ全地域の先行予約一般予約に応募した。札幌から福岡まで、どこでもいいから行きたかった。結局20回近く応募したものの取れたのは2枚。それでもとれなかった人が大勢いるみたいだからまだ幸せなんだろう。

 

NHKホールにはタクシーでかけつけてぎりぎり間に合った。この日は2階席の一番後ろ。妻と合流しひといきつく。暑いからスーツの上着を脱ぎ水を飲む。準備万端。

しばらくするといきなり照明が落ちて会場は真っ暗に。そしてステージが明るくなる・・・・と思ったら一行に明るくならない。何かあったのかと思いきや、暗闇から聞こえてくる小沢の声「ひ、ふ、ひ、ふ、み、よ」。初めて聞いたかけ声とともに「流れ星ビパップ」がはじまった。この時点で会場は盛り上がる盛り上がる。相変わらず会場は真っ暗のまま。その中で大好きな、幾度となく聞いたメロディが流れてくる。嬉しいったりゃありゃしない。アドレナリンが出てるのがわかる。軽快なベースとオルガンの音に重なる小沢の声。「教会どおりに~」とはじまり・・・後はもう無我夢中で聞いていた。

 

今回のライブはところどころ朗読がはさまれているのが特長だった。小沢がニューヨークにいたときに体験したことを中心に語りかけてくる。地震があって停電がおきたときに、普段住み着いている浮浪者がここぞとばかりに大活躍したとか、マスメディアは停電で機能しなかったけど代わりに地方のコミュニティFMが街の情報を流したり音楽を伝えた話とか。そして一晩停電で真っ暗闇の中で聞いた音楽、いわゆる非日常の中で聴いた音楽は一生忘れないといったこと。そしてそれが今回オープニングの演出とつながっていたことなどなど。確かにライブから2週間がたつが未だに鮮明な記憶が残っているのはそのとおりかもしれない・・・などと思い返したくなるほど朗読というスタイルは印象に残っている。朗読の際はBGMも流れていた。ドラム、ベース、スカパラホーンズのまったりとした小粋でお洒落な演奏によるものだ。

 

セットリストはLIFEのアルバムだけではなく、様々なアルバムからチョイスされている。新曲も3曲あり嬉しかった。LIFE~球体のころのというよりかは2000年以降の小沢の音楽って感じがする。まあライブアレンジになっているだろうから音源化されたら全く別の雰囲気になっている可能性もあるけどね。「時間軸をまげて」が好きな感じ。

 

この新曲を聴いたときに思ったことがある。年を重ねてはじめて聞ける音楽があるんだということを。麝香を聞いたときあまりにもそれまでの路線と違ったので小沢は変わってしまったんだなと思って、それ以降あまり聞かなかった。LIFEのこれでもかといったばかりのポップチューンに犯されていた自分にとって衝撃的な路線変更だったからだ。でもライブで聴いた新曲はどれもわりといいなあと思えた。麝香もそう。出た当初はあまり聞かなかった。あれから10年近くたったのかな?今回ライブで聞いたらめちゃくちゃかっこよくて、以降聞くようになった。20代の頃は馴染めなかった音楽が30代になって聞けるようになったということ、ただそれだけなんだけどあまりそういうのを実感することってなくて、自分にとって新しい発見だった。

 

ライブとしての感動は語りつくせないが、やっぱりドアノックダンスができた事は大きな喜びだ。昔カラオケで見ようみまねで歌ってたくらい。それがライブで会場のみんなとできた、あの一体感は何事にも変えがたい体験だ。すごいなあと思うのはみんなできるんだよね。きっとこのダンスをやりたくてライブに来た人も多いと思う。一番後ろの席に座っていたので会場全体が見えたんだけど、一様に体を動かしてるのは圧巻。楽しくて仕方なかった。

 

ある光。小沢で一番好きな曲だ。歌詞といいメロディーといい。その大好きな曲をいきなりアコースティックの弾き語りでやるなんて反則。しかもワンフレーズだけだ。バンド形式で1曲まるまる聞きたいのに・・・とやきもきはしたものの、あれはあれでよかったのかもしれない。その分記憶に残っているからだ。

 

そしてなんといっても今夜はブギーバック!

学生時代にこの曲で一晩中クラブで踊り狂っていたこともある自分としてはいつか生で聞いてみたいと思っていたからすごく楽しみにしていた。曲がはじまり、手拍子をする。聞きなれた言葉、曲の展開を楽しみながらゆったりと体を動かしてたら、急に前のステージが明るくなり登場したのがスチャダラパーだった。もう会場は歓喜のあらし。間奏のあの語りが生で聞けるなんて今後一生ないかもしれない、語りの内容は基本はCDと同じだったけど、ところどころ違っていたような気もする、でもそんなことはどうでもよくてみんなで一緒に「セイハロー」って叫んだあの瞬間が今でも頭の中でプレイバックされるんだ。この感動に近いものは過去に1回だけある。NONA REEVESの10周年ライブが渋谷クアトロで行われたときに、DJDJという曲でユーザロックがサプライズで登場したときだ。DJDJもCDではユーザロックが一緒に歌っていて、ブギーバックのスチャダラと同じような位置づけで登場したときは予想外の出来事に頭が一瞬理解不能になって、アドレナリンが爆発してそれ以降の詳細は覚えてなくて感極まった思いだけが残っている、そんな感覚。

 

最後にラブリーをみんなで大合唱できたのもよかったし、書いたらキリがない。

演出なども含めて、ちょっとしたサプライズがたくさん散りばめられていたから感動もひとしおだったと思う。そのサプライズが絶妙だったといえばいいのかな。色々なブログ見ても今回のライブは評判がとってもいい。13年ぶりというオマケがあるにせよ、感動をたくさんくれたこのライブは一生心に残ると思う。まさに小沢がライブの冒頭で話したとおり「非日常、暗闇で聞いた音楽は絶対に忘れない」。

 

 

 

setlist

 01.流れ星ビバップ
    朗読01
 02.ぼくらが旅に出る理由
    朗読02
 03.天使たちのシーン
 04.苺が染まる(新曲)
 05.ローラースケート・パーク/
    東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディーブロー(メドレー)
 06.ラブリー …コーラスの練習
    朗読03
 07.カローラⅡにのって
 08.痛快ウキウキ通り
 09.天気読み
 10.戦場のボーイズライフ
 11.強い気持ち強い愛
 12.今夜はブギー・バック(スペシャルゲスト、スチャダラパー)
    朗読04
 13.夢が夢なら
 14.麝香
    朗読05
 15.シッカショ節(新曲)
 16.さよならなんて云えないよ~メンバー紹介
 17.ドアをノックするのは誰だ
 18.ある光(小沢健二一人での弾き語り)
 19.時間軸を曲げて(新曲)
 20.ラブリー
 21.流れ星ビバップ
encore
 22.いちょう並木のセレナーデ
 23.愛し愛されて生きるのさ

 

ozawa

 

 

 

記念に一枚。


ツアーグッズ

 

 

この日買ったツアーグッズ。

日光Tシャツ2着にうさぎの本2冊。

1万2千円位だったかな?頑張って大人買い。

月光Tシャツは売切れで買えずじまい・・・