【勉強】この10年間でCDの生産枚数は半分になった。

グラフ

※統計情報は一般社団法人日本レコード協会が発表しているデータを引用させていただきました。


 

音楽業界が厳しいという話はあちこちで聴くのですが、どれくらい実際大変なんだろう?

 

大変大変なんてぼやいていても何にも変わらないので、こんなこと書いてもどうかなあ、と思っていたんですが・・・・少し前、妻に市場の動向について話したところ、わりと楽しく興味を持ってもらえたんですね。やっぱり数値で表現するとリアリティを感じるみたいで。その後友達にも話をしたら・・・・意外と皆さん知らないのでは?と思って。

 

僕は一般人なので書いたことが的外れになってる可能性も十分あります。ただまがりなりにも年間60本以上ライブに足を運んでいると色々な話を見たり聞いたりするわけで・・・・・なので統計情報だけじゃなくてそれらで知った現場感みたいなものが、ちょっとでも伝えられたらいいなと思います。

 

そして、もし万一この記事を見て、共感してくれた音楽ファンの方がいたら、ライブに足を運んでほしいです。CDを買う、グッズ買う、カラオケ行く、なんでもいいんですが日々素晴らしい音楽と悩みながら作り出して届けてくれるミュージシャンが今後も継続して活動できるようにね。

 

 

 

最初はやっぱりこの資料から。CDの生産枚数ってどれくらいあるか?知ってます?

 

 

なんと10年前は3億8千万枚、つまり約4億枚も作られていたんですって。

単純にいうと、1人につき3枚以上買っていたことになります。あ、日本国内の話ですよ。

それが2010年になると2億1千万枚、約2億枚ってことで半分になっちゃってるんです。

これはあくまで生産枚数なので、販売された枚数とは違いますけどね。

 

この中で邦楽と洋楽の比率も紹介しているので触れておきます。

グラフでは少しわかりづらいですが、日本ではCDの生産量のうち、80%が邦楽、20%が洋楽です。

また10年前も、今もこの構成比は変わっていないので、全体的に落ち込んでいるというのが示唆できるんですよね。まあよく見ると2006年に邦楽の構成比が73%まで落ち込んだことがあるのですが、その後は少し盛りかえしていて80%まで戻っています。


 

皆さん自分の仕事が半分になったことを想像してみてください。あ、こう書くと激務の人はラッキーなんて思うかもしれません・・・・・・・まあ自分の会社の売上が半分になったとか考えてもらえたらいいと思います。自分の収入が半分になるといってもいいかもしれません。職場の人数が半分になる、つまり2人に1人がリストラされると言われたほうがリアリティあるかな?

 

 

・・・・何もしなかったらまずつぶれます。路頭に迷います・・・・・

 

 

 

実際は様々な事情もあるし、生産枚数半分だからといっても売上が半分になるというわけでもないのですが、ばっくり傾向を知っておくという意味では単純化して覚えるほうがよいと思うので。

 

 

ちなみに2001年のミリオンセラーアルバムを出したアーティストはこんな感じ。

 

 ・宇多田ヒカル

 ・浜崎あゆみ

 ・ポルノグラフィティ

 ・JUDY AND MARY

 ・LOVE PSYCHEDELICO

 ・CHEMISTRY    などなど。

 

他にもたくさんいますが、見ていてなんだか懐かしいですね。たださすがミリオンタイトルを持つ方々だけあって今でも活躍している人が多いですよね。嬉しいことです。余談ですがポプシでいうと2ndアルバム「Fennec!」が発売されたのが2000年で、2001年は「Change e.p」がリリースされた年ですね。もちろんアナログ盤も持ってますよ。

 

 

では生産枚数が半分になったらどういうことになるかってのを少し考えてみたいと思います。

 

CD・レコードを作ってるのはレコード会社ですから、まさにレコード会社の売上が激減しているってことになります。そうするとレコード会社は生き残るために何を考えるかっていうと「リストラ」をするってことになります。もう少し書くと「売れるミュージシャンとしか契約しない」ということになります。イメージとしては昔だったら70点の成果を出すミュージシャンであればデビュー、CDリリースできていたのが、今では90点以上ないとCDリリースはできないということになります(点数は便宜上のイメージなんで実際とは違います)。またレコード会社は「アーティストを育てる」という役割も担っていたけど、売上減でそんな余力はありません。だから日の目を見ない新人、才能ある新人もどんどん埋もれていってしまうのです。(ネットやデジタル機器の環境整備により実際は違っている部分もあるのですが、それはまた改めて触れます)

 

レコード会社の経営が苦しくなるというのが、メディアにも影響が出てきます。今までスポンサーとして出稿していた広告も絞りますから、それを頼りにしていた音楽雑誌、フリーペーパーも経営がなりたたなくなって廃刊があいつぐといったことにつながるのです。(出版業界が厳しい要因は他にもあるけどここでは割愛します)

 

 

もう一つ、CDの生産枚数が半分になったらCDを置く場所も半分しか要らなくなりますよね。

そう、CDショップがいらなくなってしまうんです。2億枚のCDスペースが不要になるんです。実際には多くのCDショップが街から消えていきました。売上半分になっても、店舗面積を半分にして維持するといった、まあコトは単純ではないけど、そうやって「縮小」で頑張ってるお店もあります。でも地域の個人のお店などは経営がもたなくて次々と消えていったし、全国チェーンでも閉鎖店舗が相次いでいます。残っているのはTSUTAYAとタワーレコード、HMVくらいでしょうか?一世を風靡したWAVEの倒産はショックでした。

 

さらに、街のCD屋さんが減っていくと音楽と接する機会も減っていくような気がしています。本屋さんやCD屋さんて街のカルチャーの発信基地でもあったと思うんだけど、そういうお店が減っていくのは・・・やっぱり寂しいな。

 

 

最後にミュージシャンへの影響も。(ここが一番大事)

CDをリリースしてもらえないということは、ミュージシャンの大事な収入源である印税が入らなくなるってことなのです。彼らにとって作品を何らかの形で買ってもらったり使ってもらってはじめて収入になるからです。作ってもリリースされなければ、それまでの労力で金銭的な対価って得られないんですよ。ようやく苦労して作っても届ける場所であるお店も減っているという・・・・・

 

 

ただ時代も変わればやり方も変わるわけで。

最近ライブに行くと手作りのCD-Rを売るミュージシャンが増えてきたのを感じます。大体そういうときはデモ版だったりライブ盤だったり。パソコンの普及で誰もが手軽にCDを作ることができるようになった影響かな。昔はレコード会社に頼んで高いお金をかけないと作れなかったCDが今は個人でもPCさえあれば作ることができるようになりました。自分達でレコーディングを行って、ミックスも自分達でやって、CD-Rに焼いて作っちゃう。自分達が作った曲を手軽にユーザーに届けられるようになったというのは便利だし、ファンから見ても作品が聞けるってのは嬉しいことなのでいいなあと思います。ただデモとちゃんとマスタリングされたものでは作品のクオリティが違うので、新曲ができたらまずはデモをCD-Rで配布して、後日作品として煮詰まってきたら改めてレコーディングしたり、ミックスしなおしたり、アレンジ変えるなどして、アルバムに収録・販売をするといったミュージシャンが多いようです。

 

 

次回は市場金額の話について触れてみたいと思います。