日本のポップス界を陰で支えてきた音楽プロデューサー牧村憲一の新刊『ニッポン・ポップス・クロニクル』が発売された。
牧村憲一は、渋谷系のファンではお馴染みのフリッパーズ・ギターやL⇔Rを世に送り出したことで知られているが、少し時計の針を戻すと、今でも歌い継がれる名曲「神田川」をはじめ、はっぴいえんどなど今の日本のポップス界をリードしてきたミュージシャンを数多く手がけてきた現役最高齢の音楽プロデューサーである。
今回のクロニクルでは、1969年から1989年までの日本のポップス史を1年ごとにゲストを交えながら紹介しており、例えば1989年の項ではフリッパーズ・ギターの前身である「ロリポップ・ソニック」と著者の出会いやファーストアルバムの制作秘話などが語られており、日本のポップ・ミュージックの歴史における貴重な資料といってもいいだろう。
そのほか日本のフォーク・ミュージックがいかにしてロック、そして今のJ-POPに変化していったのか、音楽と各時代の関わり方を見る上でも大変参考になるものなので、ポップスファンにはマストバイな一冊であるだろう。なおメディアアクティビストの津田大介が推薦文を書いているのも最後に付記しておきたい。
<作品情報> ニッポン・ポップス・クロニクル/牧村憲一 2013年3月27日発売 1,995円(税込) 320ページ 出版:スペースシャワーネットワーク
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