先日イラストレーターの中村佑介さんとデザイナー・アートディレクターの木村豊さんのトークイベントに行ってきました。会場は渋谷にある日本デザイナー学院。学園祭の一環だそうです。
中村佑介さんはアジカンのジャケットや森見登美彦さんの本の装丁などでもお馴染み、木村豊さんもスピッツ、椎名林檎さん、東京事変、ユニコーン、メレンゲ、高橋徹也さんらをはじめ多数の著名ミュージシャンのジャケットを手がけられているのでご存知の方も多いと思います。中村さんには僕も以前イベントで大変お世話になりました。
今回はデザイナーの卵、学生向けのイベントだったので、気になる二人が普段仕事でどんな風に取り組んでいるのか、デザイナーに求められるものが何なのかなどを、様々な事例を用いて語ってくれました。
大好きなミュージシャンのジャケットのラフスケッチなど、この日しか見られないアート・ワークがたくさん見られてとても楽しかったし、お二人の仕事の進め方などは、普段制作の仕事もしている僕にとっては勉強にもなりました。制作プロセスって誰がやってもそんなに変わらないけどその根底にある考え方の部分というのは人によって違う、個性が出るところなので、面白かったです。
特に印象に残ったのは中村さんが最後のQ&Aのときに答えた学生へのアドバイス。
・こういうデザイナーの学校にいると周りがみんなセンスがいいから、世間との感覚がズレてしまう。センスの高め合いだけに陥りがちになるのは危険
・自分が一番センスのないと思う友達に自分の作品を見せて、その友達から褒めてもらえるようになるまでやるのがいいと思う。それがプロになる近道。
アートワークの世界だとビジネスの世界以上に自分のオリジナリティと大衆性の狭間で苦しまれる方が多いと思うのだけど、それを乗り越えて今や多くの方に評価されるようになった中村さんだからこそ、重みのある言葉でした。プロとしてやっていくにはプロダクトアウト、サービスアウトの発想になってはいけないよ、ということなのでしょう。
また中村さんが、新しいことにドンドンチャレンジしているところに共感しました。
イラストレーターの肩書きを使われているけど、元々はデザイナーご出身で、今はセイルズというバンドもやっていてミュージシャンとしても活動されています。またここ数年アニメーション作品へも携わったほか、最近は映像にも興味を持っているようで、今度リリースするセイルズのミュージックビデオも作られたそうです。近日Youtubeで公開するみたい。
もちろんイラストレーターとしての核を持ちつつ、音楽、アニメーション、映像という関連のある領域にキャリアを広げていく、もしかしたら単に楽しいからやっているだけなのかもしれないけど(笑)、は仕事の幅の広げ方としてわかりやすいし将来、自分の可能性を広げようと努力しているところがいいなあと。
これは別にアーティストだけではなく、一般のビジネスマン、社会人でも同じことが言えると思います。
比較するのも大変恐縮ですが、僕でいうとWEBサイトをはじめてから、レヴュー、インタヴュー、そしてリアルのイベント、冊子作りへと挑戦しているところ。同年代の方が活躍されているのを見て、自分も頑張らなきゃ!と思いますね。
イベント終了後少しお話をさせていただきましたが、相変わらず気さくで優しい方でした。
何よりも人生楽しんでいるという感じがね、いいなあと。
セイルズが新作出すのを知って、インタヴューしたいなあと勝手に思ったポプシクリップ。です。
>>>中村佑介さんのブログ
>>>木村豊(Central67)のサイト(リンク先では木村さんの数々の作品を見ることができます)
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