デジタル・ライツ・エージェンシー「Merlin(マーリン)」が、日本の音楽コンテンツの海外展開サポート拠点となる日本事務所を設立したことを明らかにした。
マーリンは独立系の音楽レーベルのデジタルサービスにおける権利の保護や支援を世界規模で展開している有限責任事業組合(LLP)で、本部はロンドンにある。日本は2014年に開設したニューヨーク支部に続き、2つ目の海外運営拠点となる。
彼らは、3大メジャーと同等の契約条件を引き出すための効率的なライセンスの枠組みを提供しており、先日日本でもサービスを開始したSpotifyなどのデジタルサービスに音源を提供する際、世界中の独立系レーベルを取りまとめ「仮想第4のメジャー」として配信業者と交渉している。
今回日本でのオフィス設立にあたり、元エイベックス・ミュージックパブリッシング 代表取締役社長の谷口元氏がゼネラルマネージャーに就任、国内各音楽レーベルとの交渉窓口を担当するとのこと。
世界のデジタル音楽市場においてマーリンの会員である独立系レーベルは12%を占め、会員数は現在約780社。Beggars Group、Domino、Epitaph、Kobalt Label Services、Merge、Ninja Tune、[PIAS]、Secretly Group、そして Warp
Recordsなど、世界の主要なレーベルを含み、47ヵ国の20,000以上のレーベルが参加。
現在までにYouTubeをはじめ、世界の主要な音楽ストリーミングサービスであるSpotify、Deezer、Google Play、Pandora、KKBOXなどを含めた主要なデジタルサービスと、原盤のライセンス契約を締結している。
オフィス開設にあたり来日した本社CEOのチャールズ・カルダス(Charles
Caldas)は、「日本のコンテンツは我々のグローバルな展開において、重要な位置を占めます。近年、アジア地域からのマーリンへの会員参加は急激に増加しています。マーリンがアジアで展開する最初のステップとして、日本に事務所を開設する事は、我々の戦略に大きな意味を持ちます。日本事務局ゼネラルマネージャーに就任した谷口氏が、豊かな経験を生かし、世界的にも独自のスタイルで展開する日本やアジアの音楽レーベルを導き、また日本のレーベルがマーリンの会員となることで、音楽市場の更なる発展に貢献してくれる事を期待しています」とコメントしている。