miobell records 新作のマスタリング。

こんにちは、ポプシクリップ。です。

 

少し前のこと、miobell records(ミオベルレコード)で今度リリース予定の新作のマスタリングに立ち会ってきました。

 

マスタリング作業というのは、作品制作では最後の工程、原盤を作る作業のこと。

ミックスダウンして作られた音楽データをマスタリングエンジニアの方にお願いして調整してもらいリスナーに届ける音を作ります。

 

今はフルデジタルの時代で機材も進化しているから簡単なマスタリングだったら自宅でもできるけど、miobell recordsではマスタリングにもこだわりたいと思っていて。

 

この日は乃木坂にあるソニーミュージックスタジオにメンバーと一緒に行ってきました。今度リリースするのはAlma-Grafeと杉本清隆さんの新作です。少し前の日記でも書いたけどアナログレコードを作るつもりなんです。

 

ソニーレコードは誰もが知っているように世界三大メジャーの一角で、国内最高峰の制作環境を提供するスタジオの一つ。国内だとビクタースタジオもよく話に出てくるし、バーニーグランドマンのマスタリングスタジオも評価が高いですよね。音は好みによるところが大きいから一概にどこがいいというのは言えないけど、作り手が満足・納得のできる音に仕上げられるかどうかは重要。

 

素直に言うと駆け出しのインディーズレーベルにとっては夢みたいな場所だし、身分不相応と言われてもおかしくはない場所なんですが、このスタジオに信頼できるエンジニアさんがいること、そしてメンバーのキャリアなども考えて今回お願いをしました。マガジン第8号の取材のおり「少しでもいい制作環境を提供することがレーベルの果たす役割として大事である」ことを牧村さんとピエール・バルーさんから教えてもらった影響もあり。

 

音は前段階までのミックス作業で99%決まります。だからマスタリングはエンジニアまかせで立ち会わないミュージシャンもいますが、最後の音の印象を決める大事な工程だし、メンバーの意向もあって忙しい中立ち会ってもらいました。

 

このスタジオのマスタリングは単なる音圧調整ではなくて、作品作りには欠かせない最後の音作りを丁寧に微調整してくれます。曲にもよるんですが結構変わります。

 

余談ですがここ10数年、いわゆるJPOPに見られる音圧をめいっぱいあげることでリスナーの耳に残りやすくするような音は、このマスタリング作業によるところが大きいんです。昔の作品と最近の作品を続けて聴いたときに、昔の作品の音圧が小さくて物足りないと感じたことはありませんか? これも時代毎にマスタリングの傾向が異なるからで日本では音圧をめいっぱいあげるのが主流なんですけど、僕はあまりそういう音が好きではないんですよね。だから音をあげすぎないよう、突っ込みすぎないようにしてもらいました。

 

Alma-Grafeの曲はヴォーカルの美音子さんと工藤さんが細かくエンジニアの方と微調整して歌がより自然かつ身体で感じられるよう音の重心を少し下げるかたちで最終決めました。杉本さんの曲も音の粒が立体的になりあたたかみを増すかたちで調整してもらいました。

 

作り方が全く違う2組の作品をそれぞれの良さを生かしながらバランスよく調整してもらえたし、何よりもメンバーがよかったと言ってくれたのでそれが一番でしたね。

 

2組の新作、お届けまでもう少しかかると思いますがお楽しみに。

詳細は決まり次第改めて発表しますね。