ミュージシャン第一主義を貫くことの難しさ。

こんにちは、MK@音楽パブリシストです。(写真は今回の記事とは全く関係ありません)

 

 

今年に入ってから水面下で進めていたあるポップスグループのリリース企画がある。これまで一切誰にも話していないので、具体名は避けるけども、僕はこのアルバムのリリースに向けて全精力を傾けてやってきた。ただ、残念だけどその苦労が報われないかもしれない。

 

企画立案からレコード会社へのプレゼンと説得、予算の調整はじめありとあらゆることを主体的に推進してきた。どうやったら実現できるのか、メンバーやリスナーが喜んでくれるのか。。。あとタイミングもあって、できるのは今だけだろうと思って推進してきたけど、最後の最後になってね。。。

 

直前になってメンバーの納得できる作品に仕上がらなくなりそうだということがわかった。これはメンバー自身の問題。第三者から見たらそこまで拘る必要がないように見える一見些細なことが、そのグループにとっては拘りで。この半年間メンバー自身も楽しみに準備をしてきただけに、それをひっくり返すのはメンバー自身が一番やりたくないのはわかっていて。社会人としてもありえないこともわかっていて。それでもね・・・難しい。

 

企画発案者としては、どうしようかと大いに悩む。。。

 

これまでにかけた労力や時間は膨大であり、全体最適を考えたら予定どおりリリースしてしかるべきと考えるのが普通。しかもメジャーレーベルさんを動かしている話でもあったから、普通だったら絶対にリリースするだろう。中止する理由を第三者に説明しても納得を得るのが難しいし、他人に説明しても単なるワガママにしかとられないだろう。

 

 

でも世間の期待と自分の拘りの狭間で揺れ動いていて、答えを出しきれないメンバーの様子を見ると、残念だけど企画そのものを中止にするのがいいのかなと考えるようになった。結論を先送りにしていいことはない。メンバー自らが決断するよりも、推進者である僕が中止にしたほうがメンバーも救われるだろう。ミュージシャンに甘いと言われるかもしれないけど・・・。



結局、ここぞの判断をするときは、優先順位を何におくのか、それが判断の分かれ目になるよね。


今回の場合、僕の判断基準は「ミュージシャンの気持ち」を第一義としている。いくら周りに迷惑をかけることになってもね。正直これは辛く重い決断になる。このことでまずグループに関わった方々への信用が落ちる。次はないだろう・・・そしてそれを推進してきた僕の信用もなくなるだろうね。中止にしていいことは一つもない。ただ、メンバーは救われる、悩みから解放される、何より納得のいかないままリリースをすることが避けられる。


あえてひっくり返すのは、勇気と労力のいることだけれども、音楽パブリシストとして、アーティストを支える身としてはミュージシャンの気持ちを支持したいと強く思っている。

納得しないまま作品をリリースして、後々ずっと後悔してしまうくらいだったらリリースはしないほうがいいと考えている。色々辛いけど、運がなかったと諦めようと。



正直僕の長年の夢でもあった作品のリリースだった。だから本当に辛いけど、、、こんなこともあるんだなと。自分の手で中止にできることがせめてもの救いかな。

まさかこんなことが起こるとは予想していなかった。前回の記事で「最後は担当バンドへの愛」と書いたけれども、本当にそう思う。推進してきた僕も辛いけど、ミュージシャン本人も辛そうだった。責任感のある人だからね。だからこそ最近までずっと一人で悩み続けていて、結論が出せずにいたそうだ。

 

 

 

連絡があったときは、唖然としたし言いたいこともやまほどあったけれど、何より僕が最初に返事したことは、そんなに辛く悩むんだったらやめましょうということだった。

 

 


読んでくれてありがとう。39。