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DQS DRUM GIRLS DONUTS TALK

11台のドラマーによるドラムロックオーケストラ、DQSが8カ月ぶりのワンマンライヴを11月1日2日の2日間にわたり開催する。

 

ドラム11台・・・ドラムが主役で見た目のインパクトに引きずられるため、どうしても色ものバンドとして見られがちのDQSではあるが、結成当初から歌やメロディを大事にしてきたバンドで、また唯一無二の楽曲群は、リズムが複雑にも関わらず想像以上にミニマムかつタイトに聞こえるようアレンジされており、とても11人いるとは思えない聴きやすさ、ポップネスを備えているのも特長である。たくさんのドラムがあるために騒音や轟音でうるさいんじゃないかという思い込みも、ライヴを観たらすぐにそれが間違っていたことがわかるだろう。

 

今回はタイトルにもあるように女性ドラマー、巷でいう「ドラム女子」にフォーカスして対談を行わせていただいた。DQSはもともと9人のドラマーでスタートしたのだが、忙しいメンバーも多く様々な紆余曲折もあり、最近は色々なメンバーが交代で参加するフレキシブルな体制で活動を続けている。

 

その中で今回は女性ドラマーが4名にキーボードを含めて5名と女性メンバーの参加率が過去最高になるとの話があったのと若いメンバーが加入したことも聞き、「モンスターバンド」と呼ばれているこのバンドに参加するメンバーはどんな方々なのか、どんな気持ちで参加しているのか、興味が湧いたため今回お話を伺うことにした。

 

DQSはどちらかといえば硬派だったり圧巻という強めのキーワードが似合うバンドだったが、今回の取材を通して筆者のイメージも大きく変わることとなった。本記事を通じて彼らの新しい一面を感じてもらえたら、親しみを持っていただけたら幸いである。

 

インタヴュー・テキスト 黒須 誠

撮影 塙 薫子

”G.A.P.C.ツアー”がそもそもの発端

●はじめに皆さんがDQSと出会ったきっかけから教えてください。

 

堀越和子(Key) 「DQSをやる前にアドバンテージ・ルーシー、プレクトラム、ゴメス・ザ・ヒットマン、そしてセロファンのメンバーが”G.A.P.C.(ギャー・ペー・セー)ツアー”というタイトルで、全国各地を一緒にまわったんです。ステージのセットチェンジ、ドラムの入れ替えなども全部自分たちでやって。そのときの互いの助け合い精神というか、その関係がキッカケで、その後DQS(ドラム・クイック・サービス)ができたんです。確か‘08年ころだったと思います。うちの猫が生まれる前だったから(笑)。メンバーの出演するイベントがあったら手伝いに行ける人が集まってセットチェンジや機材の運搬を手伝う、といった感じではじまりました」

 

●そのころはまだバンドとしての活動ではなかったんですよね。

 

堀越 「そうですね。ただ、その後下北沢CLUB Queの店長の二位さんがDQSリーダーのケンイチロウ(溝渕ケンイチロウ)君にDQSでライヴやってみたらどうだ、という話をしたらしくて。それでバンドがスタートするときにケンイチロウ君から誘ってもらいました。プレクトラムのアッキー(藤田顕)やスウィンギング・ポプシクルのひらっち(平田博信)もいるよ、と言われて」

 

●ドラム9台バンドという話を聞いたときにどんなことを思いました?

 

堀越 「ドラムが多いことは特段気にしなかったんですけど、あれだけ音楽としてしっかりとやることになるとは思ってもいませんでしたね(笑)。セッションの延長で緩くやるのかなと思っていたんですけど、1回目のリハーサルからオリジナル曲があってがっつり練習をしたので。そこは思っていたのとは違いました」

 

●なるほど、おかもとさんや北野さんはいかがですか?

 

おかもとなおこ(Dr) 「私はリーダーのケンイチロウさんに誘っていただいたのがきっかけでしたね」

 

北野愛子(Dr) 「確かDQSは最初9人だったんですけど、その後4人になったらしいんです。残った4人が各々メンバーを探そうということになって、その中の一人の哲郎(小関哲郎)さんに声をかけてもらったのがきっかけですね」

 

●DQSを知っていたんですか?

 

北野 「哲郎さんのブログやSNSで知ったんです。そのとき“何故DQSに私がいないんだろう”ってとても悔しかった覚えがあって(笑)。ものすごく面白そうなことをやっているように見えて・・・ドラマーの血が騒いだんですよね。でもライヴは見たことなくてYoutubeの動画で見ただけで」

 

●誘われたときは二つ返事で?

 

おかもと 「そりゃケンさんからのお誘いですから(笑)。しかも確か街を歩いているときにケンさんに声をかけられたんですよね」

 

一同 (笑)

 

●わかりました。次に松井さんと飯田さん、2人が一番新しいメンバーですよね。

 

松井香趣望(Dr) 「私たち2人は去年DQSがドラマーを募集していたオーディションがきっかけなんです。オーディションに応募したんですけど、そのときは民生(赤嶺民生)君だけ通過して、私たち2人は落選したんですよ。ところが今年2月のDQSのライヴの前にケンさんから誘われて参加することになったんです」

 

飯田ゆか(Dr) 「敗者復活組なんです(笑)」

 

●お2人は特に若いですけど、DQSやケンイチロウさんのことは知っていたんですか?

 

松井 「はい、それはもちろん。でも私の場合はライヴで会ったわけでも誰かに紹介していただいたのでもなくて・・・SNS上での会話からなんですよね。ケンさんは有名なドラマーですし、私もドラムを叩いていたのでどこかで知ったらしくて。それであるときケンさんから“お前面白いやつだからお茶でもしよう“と誘われたんですよ」

 

一同 (笑)

 

松井 「それで高円寺に夜中の23時ころに呼び出されて(笑)・・・お茶をしながらドラムの熱い話をたくさんしてくださったんです。もう4,5年前のことですけど」

 

●飯田さんは?

 

飯田 「私は民生君が加入したDQSのライヴを見にいったときに初めて挨拶させてもらいました。でもなんとなく怖くてずっと膝をついてしゃべってました」

 

一同 (笑)

 

●お2人がDQSに志願したのは何故ですか?

 

飯田 「楽しそうだったからですね」

 

松井 「あとは先輩方の演奏を間近で見られるので、それを吸収したかったというのもあります」

 

●なるほど・・・2月に一度DQSでライヴをやってみてどうでした?

 

松井 「率直に言って・・・大変でした、体力的にも」

 

飯田 「体力は大丈夫だったんですけど、とにかくついていくのが大変でした。リハーサルの間にも次々とアレンジが変わっていくんでけど、なかなか追いつけなかったんですよ。先輩方はすごくてケンさんの要望にパッと応えられるんですね」

 

おかもと 「リハーサルはもちろん本番のサウンドチェックの段階でも、曲の構成を変えることがあるんですよ。DQSってギリギリまで突き詰めるバンドなんですよね」

 

松井 「事前に用意した譜面もあまり意味がなくなったり」

 

飯田 「でもステージに立つと、何もかも忘れてとても楽しかったんですよ。ライヴバンドなんだな、というのがやってみてもわかりましたね」

北野愛子(Dr)、おかもとなおこ(Dr)
北野愛子(Dr)、おかもとなおこ(Dr)

歌ゴコロのあるドラマーが集まったのがDQSの魅力。ライヴを観てもらわないと伝わらない

●次にDQSのリーダーであるケンイチロウさんについてお話を伺います。皆さんから見てケンイチロウさんはどのような印象をお持ちですか?

 

松井 「音楽に対してすごくまっすぐな方という印象が強いです。アレンジの突き詰め方とかもそうだし、見ていて音楽が本当に好きな方なんだなというのが伝わってくるんですよ」

 

飯田 「先生みたいな人ですね。人間として教わることがものすごく多くて」 

 

おかもと 「厳しい面もある人なんですけど、実際はすごく優しい人ですね。それとケンさんはドラマーでもありつつフロントマンでもあるので、フロントマンとして妥協しないところがすごいなあと思います」

 

北野 「生まれ持ったリーダー気質がある人だと思います」

 

●どんなときにそれを感じますか?

 

北野 「大所帯のバンドなんで全員の意見を聞いていたらまとまらないと思うんですよ。何かものごとを決めるときに最後はケンさんが決断するんですけど、それにみんながついていくところがやっぱりすごいなと思いますね。周りにはケンさんみたいな人って他にはいないし・・・たまに暴走しますけど」

 

一同 (笑)

 

堀越 「聖徳太子みたいなんですよね。DQSってメンバーが10人以上いるから意見もたくさん出るんですけど、それを全部くみとっているし・・・聴いていないようで聴いているし、全体に目配りをしているところはさすがリーダーだなって思いますね」

 

●堀越さんはもともとサポートで手伝うようになって、途中から正式にDQSのメンバーとして加入したじゃないですか? ドラマー以外の視点から見ていかがですか?

 

堀越 「ドラマーだけど曲や詞も書くし、今では歌もやっているからコードのこととか詳しいんですよね。だからコード陣としてはとても助かります。あと機材のことに詳しいので、音色のこととかでも相談にのってもらっています」

●わかりました。次はDQSの魅力について考えてみたいと思います。ドラム11台という見え方があるのでどうしても色モノバンドとして見られがちですが、ズバリDQSの魅力とは何でしょうか?

 

おかもと 「一言でいうと、“あえて歌ものバンド”というところですね」

 

飯田 「以前観客として見に行った時に感じたことなんですけど、視覚的に11台のドラムがそろったときの迫力、見た目の変化に感動したんですよね。たくさんいるからこそできることで。ステージでのパフォーマンス、見た目が魅力の一つだと思いました」

 

北野 「“よりポップであること”を求めているバンドだと思います。ポップであること、つまり聴きやすいってことですね」

 

松井 「私もおかもとさんと同じで、歌う、メロディアスなバンドだなと思います」

 

堀越 「難しいですね。でも人に薦めるときは“ライヴを見に来てください”と言うんですよ。“Youtubeとかにないの?”と聞かれるんですけどDQSは生のライヴでないと伝わらないことがたくさんあって、人間の耳と目でしっかりと感じてもらいたいんですよね」

 

●DQSが歌ものバンドであるという点は、ステージパフォーマンスでもよくわかります。高橋浩司さんがKANさんの「愛は勝つ」を例に挙げて、歌心のあるドラマーとそうでないドラマーの違いを実演して説明している人気コーナーもあります。この“歌に寄り添う”という意味をもう少し詳しく伺いたいのですが?

 

おかもと 「あ、でもそんなに難しいことではなくて、それはドラマーも一緒に歌う、ということなんです。ヴォーカルのケンさんが歌っているメロディを自分でも歌いながらドラムを叩くんです。心の中で歌う人もいれば高橋さんのように声に出して歌っている人もいますけど(笑)、歌い手の気持ちをくみ取って叩くということなんですよね。DQSのドラマーって個性もバラバラで歌に対する寄り添いかたも全く違うんですけど、みんな曲を体にしみ込ませていて歌い手の気持ちを理解しているんですよ。そもそも歌ものバンドをやっている人たちが集まっているという点が大きいとは思います」

 

松井 「リハーサルでみんなのドラムを聴いて感じたことがあって。最初は複数人のドラマーが集まるから、テクニックの見せあい、どれだけ早く叩けるかとか、いかに正確に叩けるのかなどを競い合うのかと思っていたんですけど、全く違っていて。ドラムを鳴らす、まるで生きもののように叩かれている方が多かったんです。テクニックというよりも、歌に必要なドラムをいかにいい音で鳴らすのか、それをみんな考えているんですよ。だからうるさいということもないですし、それが歌ものバンドのドラムなんだと思いました」

 

堀越 「つけ加えるとDQSの“歌ものバンド”には“ドラムそのものが歌うバンド”という意味もあるんですよ。ケンイチロウ君の指導の仕方は特別なんです。まるでピアノの先生が生徒に教えるような感じなんですよ。“こう歌って”という表現を使うんです。曲のノリ方とか音の強弱なんかも、歌い方で示していて。普通は叩き方だったり、リズムで指導することが多いんですけど、ケンイチロウ君のように歌い方で指導するドラマーは珍しいのでは、と思います。ドラムが歌っているようなバンドに聞こえるのはこのような背景もあると思うんです」

飯田ゆか(Dr)、松井香趣望(Dr)
飯田ゆか(Dr)、松井香趣望(Dr)

女性ならではのドラムの叩き方があるんです

●DQSの魅力は迫力あるライヴにありますが、その中でも毎回ライヴの最後に演奏する「Circle Of The Rhythm」は圧巻の一言です。ドラマーの皆さんが延々と叩き続ける姿には涙さえするファンも多いわけですが、叩かれている皆さんはどんなお気持ちなのでしょうか?

 

松井 「早く終わってほしい・・・そんな気持ちでいっぱいですね。私はこの前のライヴが初めてだったんですけどもう何も考えられない状態で・・・ひたすら叩き続けました」

 

一同 (笑)

 

●この曲はライヴ終盤でケンイチロウさんがひたすら皆さんを煽り続け、極限の状態で演奏しているわけですが。

 

おかもと 「本当に大変でケンさんが次々とメンバーを煽っているのを見ると、次は私かもと・・・私の前には来ないでと思いたくなりますよね。一度離れたと思ったらまた戻ってきたりして」

 

一同 (笑)

 

●そこは男女関係なく厳しいですか? 高橋さんや森さんの前では相当煽っているように思ったんですけどね。

 

おかもと 「いやあ関係ありませんね。この前は愛子ちゃんの前で延々煽っていましたし、頭掴んでましたからね(笑)」

 

北野 「自分の前にケンさんが来たときは死に物狂いに叩くんですけど、他の人を煽っているときは、少し叩くペースを落としたりはしますけどね・・・ばれないように(笑)」

 

一同 (笑)

 

●キーボードはいかがですか?ケンイチロウさんはドラマー以外も全員煽られますよね。

 

堀越 「キーボードの場合はボリュームをめいっぱいにしてしまうとそれ以上はどうやっても音量をあげることはできないんですよ。あとはもう1台のキーボードを持ち上げたりして・・・それと一度ケンさんからドラマーの席で、叩けと言われたことがあるんですよ。それでドラムを叩いたんですけど、音が全く聞こえないんですよね。すごいなって。ライヴも終盤だから耳が馬鹿になってるのはあるんだろうけど、一生懸命叩いても全く聞こえなくて・・・その中でソロをプレイしているドラマーの音は聞こえてくるもんだから、みんな凄い音量で叩いているんだろうなと思いました」

 

●そのドラムのソロまわしなんですけど、皆さん女性ですから男性のメンバーに比べると力はないと思うんですけど、男性メンバーに負けないよう工夫していることはありますか?

 

北野 「女性ならではというところだと20歳のころは男の人に負けたくないという気持ちが強くて“とにかく大きな音が出したい”という気持ちでやっていたんですよ。だけど一周まわって最近は音量だけにこだわらず、女性ならではのドラムの叩き方があるんじゃないかと思うようになりましたね。パワーに拘るのではなく、女の人ならではの感情の起伏や柔らかさを曲で表現できるようになったらいいなと思っています」

 

飯田 「私には双子の弟がいるんですよ。だから男の人に勝てないなという部分はなんとなくわかるのでそこでは勝負しないようにしています。例えば男性と女性では筋肉のつき方が違うから、腕が長く見えるんですよね。長くしなやかに見える良さを活かした叩き方、かっこよさを考えたりしています」

 

おかもと 「私も自分の良さを活かすよう工夫していますね。例えば自分のバスドラムは口径が少し小さめのやつを使っているんです。男性と同じ一般的なサイズを使ってもいいんでしょうけど、私がいい音を出すためにはペダルを踏みきれる小さいやつがよかったんです。それでもはじめは大きな音を出そうと力を入れてペダルを踏んでいたんですけど、なかなかうまくいかなくて・・・ところがあるときから力をいれすぎないように踏むようになったら、スコーンと抜けのいい音が出るようになったんですね。これも一つの工夫なんです」

 

松井 「私の中では女性ドラマーのほうがパワー溢れるドラムを叩いているように思うんです。それはしなやかさにも関係していると思うんですよね。あと音の強弱だったり繊細な表現は女性ドラマーのほうが得意な方が多い気がします」

堀越和子(Key)
堀越和子(Key)

映画を観に行くような気軽な気持ちでライヴにも来てくれたら嬉しい

●皆さんは尊敬している、好きなドラマーはいますか?

 

飯田 「私はブランキー・ジェット・シティの中村達也さんですね。叩きっぷりがかっこいいんです。それと頭では理解できないようなフレーズが面白いんです。きっと数学的にスキマを埋めるような叩き方をしていないんじゃないかと思います」

 

松井 「私は自分のドラムの師匠でもある城戸紘志さんですね。初めてドラムを教わる日に城戸さんから言われたのが“音楽は耳でやれ”と言われたんです。技術は誰でも上手くなるから周りの音をよく聞いて耳で音楽をやるんだ、と。ドラマーとしてはもちろんですけど、それ以上に大事なことをたくさん教えてくださった方なんです」

 

北野 「私はシアターブルック等のドラムを叩いている沼澤尚さんですね。昔から好きなドラマーなんですけど、2年前にステージ袖からシアターブルックを見させてもらったことがあって。ドラムを叩いている姿を見て初めて涙が出てきたんです。沼澤さんは大変難しいことをやられていたんですけど、全ての音が周りの楽器隊と馴染んでいたんですよね。ドラムを叩きながら周囲の音も漏らさず聴かれていましたし、何よりも音楽が好きなんだなということが響いてくる演奏だったんですよ。特に自分の音よりも周りの音を大事にしているところにすごく感動したんです」

 

おかもと 「私はコーネリアスなどのサポートをしているあらきゆうこさんと昔スカパラのメンバーでもあったASA-CHANGの2人ですね。2人が好きなのはシンプルなビートとリズムにも関わらずとても説得力があるところなんです。まさにそれは自分が目指す姿でもあって」

 

●とても嬉しそうに話す皆さんを見て本当に尊敬していて好きなんだなというのが伝わってきました・・・リスペクトつながりで、DQSのメンバーの中で皆さんが尊敬する、もしくは好きなドラマーについても教えてもらえませんか? 今日ここにいないメンバーの中から選んでください。

 

一同 「えー(笑)」

 

松井 「そんなの決まっているじゃないですか(笑)」

 

おかもと 「ケンさんしかいないですよ(笑)」

 

飯田 「そうそう(笑)」

 

●確かにそうですよね。それではあえてケンイチロウさん以外の方でお願いします。おかもとさんからいかがでしょう?

 

おかもと 「ケンさん以外だと・・・2人いるんですけどHAZE君と修(比田井修)君ですね・・・。2人のドラム愛は異常にすごいんですよ。男の子がプラモデルを好きな感じで、一生の趣味というかドラム馬鹿というか・・・知識も半端なく豊富だし、わからないことがあったときに聞いたら何でも教えてくれるのでとても勉強になっているんです。例えば地方に遠征したときに修君が読んでいる本がドラムの本だったりするんですよ。それもドラムの叩き方の本ではなくて、身体の使い方の本だったりして・・・マニアックなんですよね(笑)。またHAZE君はドラムの話以外はほとんどしないですしね。彼らのドラムプレイには私が持っていないものがたくさんあってそれも尊敬している理由ですね。清く正しく美しいドラマーというイメージ」

 

●次は北野さんいかがですか?

 

北野 「ケンさん以外だったら・・・DQSで一番のイジられキャラであるハギー(萩原弘之)さんですね。ハギーさんは一生懸命叩いているときでもサボっているんじゃないかと言われたり、持っているドラムは偽物のラディックじゃないのか、とかメンバーからさんざんな言われようなキャラなんですけど(笑)、彼がDQSの曲にタンバリンを入れてみたりするとそのセンスが抜群に良かったりするんですよね。またハギーさんがやられているバンドのライヴを見に行ったことがあるんですけど、本当に歌を大事にしているドラマーなんですよ」

 

●それでは松井さん。

 

松井 「ケンさん以外だと・・・私も2人いて一人が愛子さんと同じハギーさん。もう一人が森さんですね。2月のライヴではハギーさんが出られなかったので、私がハギーさんのパートを担当したんです。そこで全員で行うリハーサルの前に何回か2人でリハに入らせてもらったんですよ。間近でハギーさんのドラムを観たときに、“こんなかっこいいドラムを叩く人のパートを担当させてもらえるなんて!”とものすごく感動したんです。人間味あふれる感じがとてもいいなって。それと森さんなんですけど、森さんのドラムには、なぜかグッとくるポイントがあって。この前2人でドラム談義をしたときに 、森さんと私はルーツが似ていることに気づいたんです。森さんも私もずっと吹奏楽をやってきた人なんですよ。私の歩んできた道を森さんは一足先に歩かれていて・・・似たようなものを持っているから尊敬できるところがあるんじゃないかなって思います」

 

●飯田さんはどうですか?

 

飯田 「ケンさん以外だと・・・私は浩司(高橋浩司)さんですね。何も隠さずに自分の人間性をドラムを使って目一杯表現しているところが、見ていてとても気持ちいいんですよ。一緒にいると楽しいですし、とても尊敬できるし目標にしたいなと思うドラマーです」

 

一同 「・・・何人かいない(笑)」

 

堀越 「・・・ハジ(山口幸彦)が尊敬されてない!」

 

一同 (笑)

 

●・・・それでは堀越さんにしめていただきましょうか。堀越さんはキーボディストですけど、リハーサルはもちろんDQSの合宿に何度も参加されていますし、ハジさんとも仲良しですしね。それでは堀越さんが尊敬する、グッとくるドラマーについてお願いします。

 

堀越 「ケンさん以外だと・・・民生君ですね」

 

おかもと 「確かに民生君はグッとくるよね」

 

堀越 「・・・遠く岡山からよく来たね、って愛おしくなっちゃう(笑)・・・実は民生君は私の姪っ子や甥っ子と同じ位の年なんですよ。お父さんが私と同い年らしくて・・・自分の子供みたいな感じがしちゃうんですよね(笑)」

 

●他にドラマーとしての魅力がある方がいれば・・・。

 

堀越 「イロン(チャン イロン)君ですかね。以前セッションのとき叩いていたパーカッションがとてもかっこよかったのを覚えていますね」

 

●あの・・・もう一人。

 

堀越 「あ、ハジ君も大好きですよ」

 

一同 (大笑)

 

堀越 「この間私のソロライヴでハジ君にサポートでカホンを叩いてもらったんですけど、とてもいい感じだったんですよね。ハジ君とはDQSが始まってすぐのころからの戦友なんで」

 

●ありがとうございます。DQSが互いに尊敬しあっているメンバーによるバンドだってことがよくわかりました(笑)。ちなみにDQSにいてよかったことや学んだことなどがあれば教えてくれませんか?

 

松井 「DQSのライヴをやったときに衝撃を受けて学んだことがあるんです。楽屋からステージに行き1曲目が始まった瞬間の、みんなの切りかえ方がものすごくて・・・さっきまで楽屋でヘラヘラしていたのに一瞬でプロの顔になったんです。リハでも一度も見せなかった表情に切り替わっていて。この本番への切り替え方はとても勉強になったし、次の自分のライヴでも活かしたいですね」

 

飯田 「私はドラムを叩く前の準備ですね。ストレッチはじめ身体の温め方とか・・・私はそれまで考えたことがなかったんですよ。普通ドラマーって1バンドに一人じゃないですか?だから他のドラマーの方と一緒に演奏するのってDQSが初めてだったんですよ。また2月のライヴでハジさんが本番前に寒そうにかがんでいたので何をしているのか聞いたら、“関節を冷やさないようにしているんだよ”って。ハジさんがさすっていた関節を触らせてもらったらとても熱かったんです。ドラマー一人一人やり方は違うんですけど、いい音を出すために色んな準備をしていることがわかって、これはDQSをやらなかったら気づけないことだったと思いますね」

 

北野 「数年前にDQSでレコーディングをしたんですよ。そのときに初めて他のドラマさんのドラムの録音のやり方を見ることができて、とても勉強になりましたね。リハーサルなんかはまだ対バンイベントなんかで見ることはあるんですけど、レコーディングって各バンドが密室で行うものじゃないですか? どんな風に準備をして録音していくのか、その流れというのはみんな独自のやり方を持っているんですけどそれを見られたのは大変勉強になりましたね」

 

おかもと 「ほんとその技術的なところは大きいですよね。ドラマーが10数人いてそれぞれのやり方を見られるのはとても勉強になるんです。それとDQSのドラマーは世代もバラバラなんです。そんな人たちが一緒に演奏して音を出すのがとても楽しいんですよ。イジられているハギーさんを見るのものも楽しいし、みんなで合宿やったりするのも面白いですしね。大所帯バンドだからこその大変さもあるけど、だからこそ楽しい面もあるのがDQSのいいところかな、と思いますね」

 

●わかりました。最後に11月1日2日に行われる2DAYSワンマンについて一言お願いします。

 

おかもと 「前回の2月はお休みをしていたので、飯田さんと松井さんとやるのは今回のワンマンが初めてなんです。今回はドラムは女性が4人いて、キーボードに堀越さんもいてと女子率が一番高いワンマンになるので、そんなDQSがどうなるか自分でも楽しみです」

 

飯田 「ケンさんに自分の活動の近況報告をちょくちょくしているんですけど、そのたびにケンさんから“次のDQSのライヴでは成長したところを見せろよ”という長文のLINEメッセージが届くので(笑)、私が必死になっているところも楽しんでもらえたら」

 

松井 「大げさにいうと日本にこんなバンドは他にいないと思うんですよ。堀越さんも話してましたけど、音源だけじゃ絶対にわからなくて、見ればわかるというバンド、それが全てなんですよね。体感するライヴを提供できるバンドなので、まずは見に来てください」

 

北野 「ドラムがたくさんいるバンドだから気合入れて見に行こう、という感じではなく、映画を見に行くような気軽さで遊びにきてくれたら嬉しいです」

 

堀越 「2DAYSワンマンに向けて、リハーサルの前には私たちも身体作りから準備していくんですね。それとDQSのライヴってメンバーが忙しいこともあって半年に1回あるかどうかという感じなので、次がまたいつになるかわからないこともあるから、今回のワンマンにぜひ来てほしいなと思います。DQSはとにかくその目で見ないとわからないので、絶対に来てください!」

 

●本日はありがとうございました。

2DAYSワンマン、お待ちしてまーす!
2DAYSワンマン、お待ちしてまーす!

Album Information

DQS

DQS

2015年2月11日リリース

Amazon商品ページ

Live Information

ワンマン2DAYS「RHYTHM FOR YOU」
日時】2017年11月1日(水)2日(木) open 19:00 start 19:30
【会場】東京・下北沢CLUB Que
【出演】DQS

【料金】前売り 4,000円/当日 4,500円

 

お問い合わせ:OFFICE Que(03-5433-2500)

掲載日:2017年10月31日

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