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ブログで発信し続けることが名刺代わりになる時代。

黒須 「会社員の仕事もしながらブロガーとして原稿記事を書くダブルワークを続けるのは大変だと思うのですが、レジーさんの場合はそのモチベーションはどこにあるのでしょうか?」

 

レジー 「うーん、何でしょうね」

 

黒須 「お金のためではないですよね? 会社員の給料で十分生活していけるわけだし原稿料も、特に音楽業界の場合は決して高くはないじゃないですか(笑)…となると成長欲求?」

 

レジー 「もちろんお金がモチベーションではないですね。文章を書くのが好きというのが一番だとは思いますが・・・あとはブログをスタートしてすぐ、一ヶ月もたたないうちに先ほど話した『ロック・イン・ジャパン』に関するエントリーへの大きな反響があったので、世の中に向けて発信することの醍醐味を早い段階で感じられたのも大きいですね。ところで『PRESIDENT NEXT』ってご存知ですか?」

 

黒須 「マンガで書かれているビジネス雑誌ですよね。コンビニや書店で見かけたことがあります」

 

レジー 「たまたま編集の方から声がかかって一号目で簡単なコラムを書かせてもらったんですけど、音楽誌とビジネス誌だと求められるものが全然違うんですよね。出版社やジャンルによって仕事の進め方や要求も違うことに素朴な驚きを感じました。そういう意味では、世の中の裏側を見られる面白さみたいなのは大きいかもなあ。ミーハー感覚というか・・・(笑)


黒須 「レジーさんはブロガーをやりながら書き手としてのフィールドを広げられています。世の中には音楽ライターになりたい人もたくさんいると思うんですね。書けるようになるためには何が大事だと思いますか?」

 

レジー 「それは書く場を与えてもらうためにはってことですか?」

 

黒須 「そうですね」

 

レジー 「やっぱり発信し続けることだと思いますね。今はインターネットを介せばローコストでいろいろなことができるので。発信の仕方に関しても、何かゴールがあるんだったら工夫することも大事かなと。僕の場合、”ライターになりたい”はなかったけど”ブログを多くの人に読んでもらいたい”という気持ちはあったので、ロック・イン・ジャパンに関するエントリーをあのフェスの立ち上げメンバーでもあり影響力も大きい鹿野さんに読んでくださいとリプライをしてみたところ、リツイートしてくれて一気に広がりました。もちろん文章の中身が大事なのは当たり前ですが、スパイスとして届け方の工夫は必要かもしれないですね

 

黒須 「実は私も全く同じでWEBサイトを運営するようになってから少しずつお声がかかるようになったんです。やっぱり発信し続けることは大事ですね」

 

レジー 「そう思います」

レジーさんのポータルサイト。レジーさんの書き手としての活動がまとめられている。
レジーさんのポータルサイト。レジーさんの書き手としての活動がまとめられている。

黒須 「もともとの仕事が音楽ブログに対してプラスに働いたことはありますか?」

 

レジー 「それはありますね。俯瞰してものごとを見てそれを文章にするのが自分のユニークネスだと思うんですが、そういう視点は会社の仕事あってこそだと思うので」

 

黒須 「反対に音楽ブロガーとなったことで、会社仕事に何らかの影響を与えたことは?」

 

レジー 「逆はそんなにないですね。案件によってエンタメ業界の話が出たときに知識が生かせるくらいかな。強いて言うならば”自力でお金を得る”という実感は会社勤めだと感じづらい部分もあったりするので、そういう意識を音楽に関連する活動で補完できている部分があるかもしれないです。媒体への請求書の発行とかちょっとしたコネクション作りとか、全て自分の責任でレジーというプロジェクトのようなものを動かしているとも言えるので」

 

黒須 「今のレジーさんは世間的にはダブルワークと呼ばれる働き方を実践されているわけですが、ご家族の方はそのことについてどう思っているのでしょうか?」

 

レジー 「妻の理解があるからできているというところは間違いなくありますね。“好きにやれば”という感じです(笑)。最近子供ができて一緒にいる時間を増やしたいので、その辺のベストバランスについてはこれから探り探りやっていきたいなと」

 

黒須 「今後このレジープロジェクトはどうなるのでしょうか(笑)」

 

レジー 「今はたまたま面白いことをやらせてもらっている、という感じなので、そこで何かを計画的に成し遂げたいというのはあまりないですね。単純に自分の文章を面白いと思ってもらえるとか、自分のレコメンドがきっかけで誰かが好きな音楽を見つけるとか、そういうことをこの先もコンスタントにやれたらいいなとは思っています。逆に黒須さんは何かありますか? ポプシクリップ。にせよご自身でやられているイベントにせよ、何かビジョンみたいなものはあるんですか?」

 

黒須 「やりたいことはたくさんありますよ。イベントのPOPS Paradeシリーズも広げていきたいですし、記事ももっとたくさん書きたいですしね(笑)。僕は新しいことに挑戦する際は必ずステップを踏んでやるようにしているんです。仕事でも小さく生んでトライ&エラーを繰り返しながら育てるというやり方をしているのですがそれと同じですね。もともとポプシクリップ。は”良い音楽を世の中に広く紹介していきたい”という単純な想いで、ライヴなどの感想ブログからスタートしたんです。その後勉強しながら取材をするようになって、その次にイベントをやるようになって、小冊子のZINEも作りはじめて・・・といったように、音楽を紹介するために様々なやり方にトライしているんです。それと自分が音楽とどうやって向き合っていくべきなのかを考えるために始めたこともあって、十年を境に一区切りをつけるつもりなんです。何でも一人前になるには1万時間必要だ※という話を聞いたことがあって、あのビートルズも一人前になる前には下積みに1万時間費やしていたらしいんですね。それで僕が一年間に費やせるのは1,000時間くらいだから、一人前になるには十年かかるんだろうなと思って(笑)」

 

レジー 「へえー、面白いですね」

 

黒須 「その十年間で色々なことをやりながら、自分の向き不向き、何をすることが読者やバンドにとっていいのかを考えたいなと。仕事で培ってきたスキルやノウハウを自分の好きな音楽にどのような形で活かせるのか…この十年でその見極めをやりたいんですよね。だから今はあちこちで勉強させてもらいながら、色々なことをやっています。最近バンドのスタッフとして働きはじめたのは、その一環でもあるんです。自分の持つ知見をバンドにコミットする立場で提供して、一緒に何かを達成できたら単純にすごく嬉しいし、自分の成長にもつながるし、アーティストへの理解も深められたら最高なんじゃないかと(笑)。だから僕の場合もレジーさんと同じで、”イベンターになりたい”、”音楽ライターになりたい”という視点ではなくて、”いい音楽を多くの方に知ってもらいたいから、その手法としてイベントもやるし記事も書く”という考え方なんですよ。形式にはあまりこだわってはいないので、今後はもしかしたらレーベルを設立したり、音楽番組をはじめるかもしれません。もしかしたらアーティスト向けのサービスをやるかもしれません(笑)。色々な構想を練っている最中なんですが、要は読者・リスナーとアーティストをつなぐ役割を果たしたり場を作っていくことを考えていきたいなと思っています」




※参考 ITMedia プロになるには1万時間

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1001/13/news016.html

        

 

 

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