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川本真琴リマスター盤発売記念インタヴュー

歌詞を書くための恋愛とか絶対ないですよ(笑)。

──今回それぞれのアルバムには川本さん書き下ろしのエッセイ、当時の回顧録が封入されています。その中で”歌詞は言葉を選ぶ前に気持ちがあり、作家として一番ありがたいことではないかしらと思う”と「DNA」のところで書かれているのですが、こちらについてもう少し詳しく教えていただけないでしょうか?

 

川本 「最近は戦争の映画とかを見て、生きてるってすごいんだなと思いました。地球が始まって、たくさんの天変地異や戦争や災害があったのに生きてるって。だから今私たちって長い時間を過ごしているようだけど、映画のラストの瞬間じゃないですか? 好きな人が出来たり、その思いを歌にして聞いてもらうとか、 そんなことをしていたいな~。歌詞を書くための恋愛とか絶対ないですよ(笑)」

 

──続けて「1/2」について、『出来上がった作品は”川本真琴”のものだった』と書かれており、川本さんの中では他の作品とは違う想いがあると感じました。そこのところも少し詳しく教えていただけないでしょうか?

 

川本 「タイアップが決まっていたので、それに見合ったものを作らねばという思いが強かったです。プロデューサーさんやマネージャーさん、色々な人の意見を先に聞いて、みんなで作った感じがあるんです。ずっと個人的にやっているのが楽しかったので、私ぜんぜんちがうとこ来ちゃってるな~っていうのはありました」

 

──この曲については”今この歌を唄う時、昔の事は思い出さない。今のお気に入りの1/2を歌っている”と結ばれています。私はこの言葉を読んで今の川本さんはとても自然体で楽しく音楽と向き合っているのだろうと思ったのですが、当時と今でこの曲を歌うときの気持ちの違い、歌い方の違いなどがありますか?

 

川本 「だんだんこの曲が好きになっていくんです。不思議だなぁ、、、客観的に聞いてるのかもですね」

 

川本真琴
今回リリースされた2作品と初回特典のエッセイ

人に認められないことが怖かったのかな。友達のミュージシャンとかにね(笑)。

──今回改めてこの2作品の詞を読み直したところ”恋愛”や”男女の関係、距離感”がテーマになっている作品が多いと感じました。

 

川本 「そうですね、恋愛が一番面白いかも。男女ってうまくいく事があるんでしょうか? 私分からないです、、いつか落ち着けるところがあるのかなぁ、、そうだったらいいな」

 

──2作品各々のエッセイを通して振り返るとファーストの頃は無我夢中でもがいていた川本さんが、セカンドの頃ではイギリス旅行や新しい出会いもあり、少しずつ自然体になっていったことがわかりました。そして9年あけてのサードアルバム『音楽の世界へようこそ』以降は、音作りも変わり「ウグイスー」のような日常風景がモチーフの歌も増えています。当時とここ数年の音楽活動ではどのような変化がありましたか?

 

川本 「9年間は、少しでも自分でやろうと実践していきました。早くアルバム作らなきゃって気負いもあったし、特にレーベルが決まってなかったので知り合いもいないし。何してよいか、常に不安があって。先生とかいないし。あげく不安なまま作品を作るべきではないとおもってて。進まないったら。人のためになる事は何か?とあんなになぜ考えていたのだろうと思います。本当に良いものでなければいけないと研究してたのですが、結局、人に認められないことが怖かったのかな。友達のミュージシャンとかにね(笑)。身体の調子がよくなかったので、自然なものを食べたかったし、きれいな水がある場所にいったり、朝日を浴びに海にいったり、音楽は民族楽器屋に行って、鈴やら何やらを鳴らしたり、アフリカンダンスやアフリカのリズムに興味を持っていたり、神社で日本笛を吹きに行ったり、鉛筆の使い方とか画家さんから聞いたり(笑)。たまにスタジオに行ったり。そんな感じでした」

        

 

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