新たな試みだった「Popsicle Clip. Paper+」Vol.1。

Popsicle Clip. Paper+ Vol.1 「POPS Parade Festival 特集号」
Popsicle Clip. Paper+ Vol.1 「POPS Parade Festival 特集号」

 

こんにちは。

スタッフのPです。

 

イベントは終了しましたが、スタッフや関係者のコメントも続々といただいており、改めて感謝の気持ちでいっぱいな日々を過ごしているこの頃です。

 

と同時に費用精算とか諸々の事務処理にも追われていたりもします。

ええ、まだ終わってないんです、色々な意味でほんとに(苦笑)

 

 

先日えまさんも書いていましたけど、今回のイベントは色々なチャレンジをたくさん行いました。その中でも一番苦労したのが写真にもあるイベントパンフレット「Popsicle Clip. Paper+」というZINEです。

 

ポプシクリップ。は今までWEBサイトだけで音楽情報を提供していたので、紙媒体を作るのは今回がはじめてです。とはいえ雑誌不況と呼ばれて久しいこの世の中で、いきなり有料雑誌を作っても失敗するのは目に見えてますし、フリーペーパーも考えたのですが、取材費やら何やらで経費も発生しますしね・・・そもそもそんなに記事作れないし・・・とまあ色々考えていた中で、今回のイベントがフェス形式でやるということもあって、この機会にチャレンジすることにしました。文字でもアーティストの音楽をきちんと紹介したかったんです。またそれがポプシクリップ。らしさにつながるんじゃないかとも思いました。

 

ZINEというのは昔から数え切れないくらいあるわけで、私の場合は90年代から続くいわゆる渋谷系の流れを組んだアーティストたちが作ってたのを手に取ったのがきっかけです。とはいえその後00年代に入ってからはあまり見かけることもなかったのですが、2年前にカジヒデキさんの15周年イベントで久々にZINEを手に取りました。タブロイド紙だったんですけど、これがまたいいなあと思って。写真も大きく載っているし、ヒストリーや関係者からのお祝いコメントとか、もう愛情あふれるものだったんですよ!

昨年はPANDA 1/2の藤岡みなみさんが「熊猫新聞」という手作りのZINEをライヴ会場で配っていたり、今回ご出演いただいたrisetteさんも常盤ゆう祭りでパンフレットを作られていたし、なんだかんだあるんですよね。

 

 

イベントテーマがアニヴァーサリーと明確だったので、だったらってことで音楽キャリア振り返りインタヴューにしようと・・・ある意味単純なんですけどね。新作のインタヴューならともかく振り返りインタヴューってなかなかこういう機会でもないと行えないだろうし、いいんじゃないかと思って(笑)・・・あと私は会社員なのですが、常日頃から仕事の上でのキャリアパスというのはそれなりに意識させられていることもあって、アーティストの方々のキャリアパスというか、音楽との向き合い方ってどのように考えているのか以前から興味があったんですね。それと出演者の音楽キャリアを振り返ることで、アーティスト各自の取り組みだけでなく現在の下北沢・ネオ渋谷系の音楽シーンについても、それなりに伝えることができるんじゃないかと思ったんです。

 

もちろんイベントのパンフレットってことでタイムテーブルを載せたり、グッズの紹介などもさせてもらいました。当初は各出演者の作品のレビュー記事やヒストリーや関係者コメントなども載せたいと思ってはいたのですが、予算とリソースがそこまでは難しかったのでインタヴューのみに絞りました。でも結果としては主旨が明確になって良かったと思ってます。

 

各出演者のインタヴューは11月から12月にかけて行いました。ライヴの前に時間をいただいたり、平日の夜や休日に行わせていただいたり・・・。とにかく皆さんとても忙しくて時間をとってもらうのが本当に大変でした。短い方で1時間、長い方だと2時間ほどじっくりとお話を伺いましたし・・・まあ10年、15年を振り返るわけですからそりゃ時間かかって当たり前なんですけど、普段なかなか伺えないお話が聞けたのは本当に貴重な経験でした。

 

でも大変だったのはこの後の制作業務だったんです(泣)。

正月休みはほぼ返上しまして、パンフレット作りにあてました。というか1月に入ってから、仕事以外のプライベート時間はほぼ全てこのパンフレット作りをしていたといったほうが正しいですね。文字起こしからあがってきた原稿のチェックから校正から編集までの大半を一人で行っていたものですから・・・。そもそも原稿が予定どおりあがってこなかったりして・・・まあこの業界ではよくあるお話のようですが・・・何せ私は初めてだったので、それなりにリスクを折り込んで作っていたスケジュールも軽く吹っ飛びまして・・・最後の原稿があがってきたのはイベントの2日前だったりします・・・

 

実は5日くらい前になっても原稿が届かなかったときに、もうあきらめようかと思ったんです。3日前には校了して印刷に回さないと間に合わなかったから・・・それに関係者・スタッフの負担が相当大きくなることがわかっていたので・・・でもそれを見越したかのようにえまさんからは「出演者の方々のためにも、絶対間に合わせましょう!」という力強いメールが届いたんですね。それを読んで私自身も勇気付けられまして・・・一番の課題であった印刷会社については、当初予定していたところから2回変更して、入稿当日に印刷をしてくれるところをなんとか見つけることができました。それで数日確保した上で、あとはえまさんともども二人で連日徹夜で作業・・・完成したのは前日の13時過ぎ・・・12時の締め切りを過ぎていたのですが、お詫びしてギリギリまで印刷会社さんに待っていただいて14時過ぎに入稿して印刷、無事間に合わせることができたんです。ほんとえまさんのご尽力なくしては完成できませんでした。本当に嬉しかったです。

 

ちなみに冊子中ほどにインタヴュー写真だけのページがありますが、これはえまさんとの打ち合わせの際に追加で決まったんです。ファンの方だったら写真を大きく見たいよね!って。カメラマンはいつもお世話になっている山崎さんと木目田さんの2人体制で臨みました。いい写真をたくさん撮ってくれました。ありがとう。

 

また今回はMUSIC MAGAZINEなど音専誌でもご活躍されている岡村詩野さんにも、お忙しい中ご参加いただきました。岡村さんにはHARCOさんと山田さんのインタヴューをお願いしました。もともとはポリスターが3年前にリリースした『Good Lovin'』という下北沢系コンピで、岡村さんが解説文を書かれていたのを読んだのがきっかけです。このコンピではHARCOさんやGOMES THE HITMAN、PLECTRUM、advantage Lucyなど多くの下北沢系のアーティストが参加しています。もちろん岡村さんのお名前は以前から知っていましたし、最前線で活躍されているベテランの方ですから、ほんと私のような一般人がお願いするのは恐れ多いのですが・・・。当時岡村さんの解説文を読んだときにこの人だ!とピンときたんですね。何故かというと下北沢系、渋谷系の音楽に精通していて、アーティストの音楽性は言うまでもなく、その時代のシーンや空気感も理解している方はそうはいなくて、文章からそれを感じたのです、アーティストへの愛、音楽シーンへの愛情を感じたというか。また岡村さんはHARCOさんや山田さんとも昔からのお知り合いだったということもありまして。そんなこんなで今回ご相談したところ、大変お忙しい中、引き受けていただけたのです。本当にありがたいことです。ちなみに岡村さんはPOPS Parade Vol.4にご出演いただいたContrary Paradeのアルバムの解説文も書かれているんですが、これもまた面白いのでぜひ読んで欲しいと思います。

 

こうして多くの方のご協力を得て完成したパンフレット・・・初の試みで売れるかわからなかったのですが、大変ありがたいことに無事に完売いたしました。来場者の4割近くの方が購入してくれたんです。とてもありがたいことでしたし、よい経験になりました。

 

初めてのチャレンジでしたが、多くの方のお力をお借りすることで実現できるもんなんだなあと改めて実感しました。ただ反省も多々ありまして次回はそれを踏まえてよりいいものを目指したいと思います。

 

そうそう、当日来れなかった方から、読みたいというありがたいお声をいただいたのですが、予備が一冊もなくて私の手元にあるのも見本しかないんです。なのでこちらについては、通信販売等で増刷を検討しています。決まったらまたお知らせしたいと思います。

 

 

「Popsicle Clip. Paper+」を読んでくれた皆様、ありがとうございました!