イベントの謝礼(ギャランティ)はどうやって決めたらいいのか?

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POPS Parade vol.5 / 2013.1.19 / (c)Yuri Yamazaki / Popsicle Clip.
POPS Parade vol.5 / 2013.1.19 / (c)Yuri Yamazaki / Popsicle Clip.

 

こんにちは。

ポプシクリップ。です。

 

 

先日のイベントをはじめる前に取り組んだ4つのことに続いて、今日はイベントのギャラの決め方のお話です。

音楽イベントの出演者へのギャランティ、どうやって決めるのがアーティストとイベンターにとっていいのでしょうか?

 

色々な方にお話を聞く限りでは、アーティストへの謝礼を決めるやり方は、主に三種類あるようです。

 

 

 

1.固定型。

いくら払うという金額をを事前に決めておくやり方です。

 

予め決めておくのでアーティストにとってはある意味やりやすいのかもしれません。ベテランのアーティストであれば集客人数もある程度読めるし自分達の相場というのもわかるでしょうからね。主催としても経費計算が簡単になるというちょっとしたメリットはあります。

 

何バンドも出るようなイベントや出演者の音楽ジャンルが重なる場合、このやり方は好まれます。何故かというとファンがかぶるからなんですよね。つまり普段AとBの両方のバンドに行くファンは両方のバンドから見たらどちらにとっても大事な固定客なわけですけど、同じイベントに出演した場合にはどちらか一方に決めてもらわなければならないわけですからね。リスナーやファンが重複することはよくある話で、結果として取り合いみたいなことになることも。そんなとき集客数が影響しないギャラの決め方は出演者にとっても余計なことを考えずに済むのでいいのだと思います。

 

一方イベンターにとってはリスクを背負うことになります。目標人数に達しなかったら赤字をまるまるかぶりますからね(泣)。ただうまくいったら大幅な黒字になる可能性もあります。

 

 

2.チャージバック型(成果報酬型)。

チケット代をイベンターとアーティストで分け合うやり方です。成果報酬型といったらわかりやすいでしょうね。(ちなみにドリンク代は会場に支払う費用なので、通常アーティストやイベンターの収入にはなりません。そのため別枠として考えます)

 

例えば3000円のチケットでそれぞれの取り分を50%ずつとしてそのバンドが30人集客したら、売上は9万円ですから、4.5万円ずつ分け合うことになります。イベンター側はそこから会場費用はじめ各種経費を支払うことになるんですね。出演者側もサポートやスタッフに払う人件費はじめスタジオ代や準備経費などをそこから捻出するわけです。(状況によっては違う場合もありますが、ここではわかりやすくしています)

 

このやり方のいいところは主催者とアーティストがともに集客に向けて頑張るということです。頑張れば頑張るほど双方の取り分が増えるわけですからね。運命共同体といったらいいのかもしれません。またイベンターのリスクもかなり下がりますからこちらの方がやりやすいとは思います。

 

ライヴハウスが企画するイベントではこのやり方が多いようです。枚数に応じてチャージバック金額があがっていく場合も多く、20人までだったら30%バックだけど、それを超えたら50%バックになるとかね。損をしたくないライヴハウスの場合だと、10人未満だったらチャージバックはゼロ(つまり謝礼なし)だけど11人以降集客できたら1枚目からチャージバックするよ、といった最低条件をつける場合などもあります。これはそのライヴハウスやイベンターさんなど企画する人の考え方によりますので決まったものはありません。

 

経験上はじめて使う会場の場合は厳しい条件を出されることが多いですね。普通のインディーバンドではかなり大変な金額の会場も多いのですが(泣)、それは試されているのだろうなと思って割り切るしかありません。ただライヴハウスは、たくさんありますしピンキリです。相談にのってくれる良心的なお店もたくさんありますので、調べて一軒一軒あたっていくのがいいと思います。そして一度でもイベントを成功させると信頼をしてもらえるようになります。そして何回も使わせていただく、リピーターになると少しまけてくれたり条件を変えてくれることも。ビジネスとはいえそこはやっぱり人ですからね。誠意をもって接することが大事です。

 

デメリットは・・・今のところあまり思いつきません。しいていえば、計算が面倒になることくらい?

 

 

3.利益分配型。

これはチケット代から会場のレンタル費用などすべての経費を差し引き、残った利益をイベンターとアーティストで分けるというものです。出演アーティストが複数の場合は、各バンドの集客数の比率に応じて分配することが多いようです。

 

これのいいところはイベンターとアーティストがまさに一体となっているところでしょうか?イベント収支が赤字であれば、イベンターはもとよりアーティストもノーギャラです。逆にイベント収支が黒字であれば主催者も出演者もギャラが出るということです。イベンターから見たら一番ノーリスクということになります。

 

ただこのやり方はプロミュージシャン相手にはあまり向いていないとは思います。赤字だったらノーギャラというのは、仕事をオファーする立場としてありえないといいますか、失礼にあたる気がするからです。一方プロなのに集客できないのはそもそも論外、という考え方もあると思いますので、一概にどちらが正しいとは言えません。企画者と出演者の人間関係やイベントの企画意図によって判断すればいいと思います。基本的に出演者が身内など、信頼関係が深い場合や稼ぐことに力点を置いていないイベントのやり方だと思います。

 

 

 

他にもあるのかもしれませんが、今回はよくある上記3つについて簡単にメリット・デメリットなどを考えてみました。

 

経験上、一番大切なのはこれらのやり方というよりも、そのやり方の背景の「意味合い」だと考えています。黒字にしたいのは言うまでもありません。その上でそれぞれのアーティストに対してどのような考えでイベントに出演していただくのか?固定型、チャージバック型、利益配分型それぞれには意味があります。そこを踏まえた上でミュージシャンにオファーし、意味合いも説明し理解いただいて進めるのが一番良いのです。

 

ちなみに私が企画する場合は、色々なやり方をブレンドした独自設計です。上記は他のイベンターさんや会場の方から教えていただいたやり方ですが、僕の考えと少し合わない部分があったので、企画意図に合わせて変えています。

 


謝礼の決め方は本当に難しいと思います。

仕事とはいえ見方を変えたら尊敬するアーティストに値付けをするようなものですからね。。。それにベテランだから集客人数が必ずしも多いわけではありませんよね。たまに勢いのある若手、学生バンドが友達をたくさん連れてきたために集客数が多いなんてことも。じゃあその場合のベテランと若手の謝礼金額はどのように考えるのがいいのか?・・・。集客数だけでは測れない価値、意味もあると思うので難しいところです。

 

ベテランの方々の場合は前にも書いた30代の壁があるために、ライヴに来れるファンが減ってきているということも関係していると思います。人気がないとかではなくてライヴに来れるファン層が減ってしまうということなんですけどね。淡々としつつも、心のどこかでは何かしらの葛藤を抱えながら毎回イベントを企画しています(^^;

 

 

 

書きながら次回イベントのやり方を考えていなかったことに気づきました。。。。

 

また頭を悩ませたいと思います。

次回イベントは2月の日曜日のお昼を予定しています。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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