ミオベルレコードも半年が経ちました。Cプロも水面下で始まったようです

こんにちは、ポプシクリップ。@制作部ミオベルレコードです。


新たにリリースやパブリシティのお手伝いをすることになるアーティストが決まりました。 とりあえずCプロと仮置きします。写真は打ち合わせで使った品川駅。MTGを行った場所に近いというだけで、特に深い意味はありませんが、多少なりともヒントが隠されていたりもします。



気がついたらレーベル始まって半年と少しばかり経ちましたので、最近思うことをつらつらと。


もともとミオベルレコードはAlma-Grafeと杉本清隆さん、2組の作品をリリースするための自主レーベルとしてスタートしたのは読者の方であればご存知のとおりです。

昨年夏にアルマのメンバーから新曲を聞かせてもらって、これはリリースしたい!と思ったのと、ちょうど同時期に杉本さんからもリリースのお話をいただいたのが設立のきっかけでした。

 

ミオベルレコードがどんなレーベルなのか、それはリリースしていく作品を見て感じてもらえたらそれでいいかなと思っています。特に定義づけはしていないんです。あえていうならば僕らがお手伝いをしたいアーティストがいるレーベルなんですが、こう書いてもよくわからないですよね。

 

音楽ジャンルも特にこだわりはありません。そもそもAlma-Grafeと杉本さんはジャンル違いますからね(^^;。秋にリリース予定のFプロはガールポップだし。ジャンルに関係なく通ずるものがあるとは思っていて。それは感じてもらうものなのかな、と思います。


現時点で言えるのは「音楽パブリシストが企画運営するレーベル」「アーティストありきのレーベル」です。それが珍しいのかわかりませんが、声をかけていただくこともポチポチ増えてきました。また個人的にお手伝いしたいミュージシャンもいくつかあって声をかけるというほどではありませんが、雑談をしたり。



 

▪️制作面
アーティストの方々と一緒に考えながらやっています。まずはビジョンを聴いてからそれをどうやって実現するのか考えています。この日のCプロの打ち合わせでは、アーティストとお手伝いしているスタッフと3人でMTGをしましたが、アーティストがやりたいことを考えてきてくれたので、それをたたき台にしながら膨らませるよう心がけました。

 

環境を提供するのが僕らの役割だと思っているので、できるできないはありますが、まずはゼロベース思考で発想するようにしています。思っていたよりやりたいことがたくさん出てきたので、どこまでできるか持ち帰ることになりましたが(^^;

やり方もアーティスト毎バラバラです。非効率ですが、それが一番いいのかなと。全部打ち込みでやりたい人にはそうしてもらっていますし、生音の録音にこだわりたいバンドにはスタジオを提供します。。。まあ当たり前のことですね。

 


▪️宣伝面
ポプシクリップ。をはじめ、各種音楽WEBメディアでの露出、あとはインストアイベントやラジオを少々といったところです。メルマガもあります。

大きな媒体に露出するには宣伝費が必要になるので、最初は気に入ってくれた方、ファンの方に広めてもらうことが大事なので、地道な感じですが、小規模ではありますけどコアな音楽ファンにお届けすることはできているかなと。でもまだまだです。




▪️運営面

いわゆる新人発掘はしていません。そこは出会いを天にまかせているというか、自然とできたらいいなと思っているので。

 

あと、一人ではなく複数人の有志でやっていることとか。東京・千葉・京都・大阪とメンバーの住む地域はあちこちに散らばっているんですけどね。これは牧村さんの教えでもあります。著書に書かれていたことで、一人1レーベルの時代がやってくるけれども、2人以上でやらなきゃダメだとあってね。その話を踏まえて。

 


収支でいうとなんとか及第点かなと。1作目の杉本さんの作品と2作目のアルマグラフの雑誌付きシングルは投資回収のメドもつきましたので、赤字にならずにすみました。買ってくださった方々本当にありがとう。3作目のアルマグラフと杉本さんのスプリットシングルは発売したばかりなので、まだ赤字ですが、それも半年から1年以内には回収できればなと。最低白字に持っていかなきゃいけないし、黒字にしてアーティストの方々に分配して次の作品につなげたい。ということで、ぜひミオベルレコードの作品を買ってくださると嬉しいです(^^;

 

 



▪️その他

現実はメジャーレーベルはじめ、数多ひしめくレーベルの方々と同じ土俵で戦わなくてはなりません。そうなると吹けば飛ぶような自分たちのプレゼンスを確立するためには、まずは限定した場所で存在感を出していくのがいいのかな、と思っています。

 

レーベル運営は多少なりともお金がかかります。ただ僕らはレーベルで生活をしていないから、経費以外ほとんどお金を必要としないのはメリットですね。尊敬しているラリーレーベルさんに昨年取材をしたときに、トータルで赤字にならなければそれでいいと、個々の収支は計算していないという話を伺いビックりした覚えがあります。営利企業でそんな発想ができるとは思いもしませんでした。僕らはプロボノワーカーだから立場も形態も何もかも違うのですが、その緩やかな視点はとてもいいなと感じていて、参考にさせていただいています。楽に考えることで、その予算を制作費や宣伝費にまわせるのがいいのかなと。友達からそれってすなわちNPO同然だよね?と言われて、そうかもしれないなと。まあ僕らは楽しいことをやっていけたら、それがアーティストやリスナーと共有できたらいいのかな、と。

 

気持ちと情熱だけでやっているレーベルですが、どのレーベルも恐らく初期衝動があってスタートはしているのかな・・・問題はそれがどこまで長続きするか、長く続く仕組みや体制を作れるのかどうかが重要で、今後の課題。

この前カクバリズムの角張さんのお話を聞く機会があったんですけど、角張さんも最初はユアソンのCDをリリースしたい、という初期衝動からスタートしたと話されていました。

 

今の時代個人レーベルがお手伝いできることって本当に少ないと思います。この”少ない”というのは”個人レーベルじゃないとできないこと”が少ないという意味です。デジタルツールが発達しているから、バンドが自分たちでスタジオおさえて録音して、場合によっては宅録してあとはツールで編集して作品を発表することができるし、CDやレコードも自分たちで業者に頼めば作れますからね。

 

作品のプロモーションもSNSやYoutubeなどがあるし、配信だったらTUNECOREやBIGUPなどを使えばできるし。バンド自らがDIYでできてしまう。

制作費もバイトするなりして働いてお金を貯めればいいわけで。だからバンドからしたら宣伝力なり、バンドだけではできないか何かしらのメリットがないとレーベルと組む意義ってないんだろうなと思います。逆にそのメリットをどうやって提案していくのか、それがレーベルの使命なのかもしれない。

 

また、ある程度実力のあるバンドだったら大手の力をかりて大々的に宣伝してもらった方が絶対にいいですよね。一方で大手だと関わる人も増えてきて自由がききづらくなる、やりたいことができづらくなる、という場合も往々にしてあるので、少人数でフットワーク軽く好きなことをやる、流行にとらわれず好きな作品を出したいミュージシャンには個人レーベルというのは合っているんだと思います。

 

ただ”単にできる”というのと、実際にやるのとはまた違っていて。器用な方なら全部自分たちでできるのでしょうが、実際にはそういうアーティストはやっぱり少ないわけで。営業活動までできるミュージシャンはそう多くはないのが現実。だったらその役割を分担して、プロモーションや営業は得意な人がやる、餅は餅屋で、チームを組んでやっていったほうが効率的だったりするんですよね。僕がレーベルを、バンドのお手伝いをしているのは、そういう面倒なことを引き受ける代わりに、作品作りにその時間をあててほしい、という想いがあるんですよね。

 

勝手に師匠だと思っている(笑)牧村さんから以前聞いたお話を一つ。1stリスナーの存在ってバンドにとって大事だなってことです。

第3者的な視点でバンドの音楽を冷静に見つめて意見交換ができる人ってやっぱり必要で。バンド側は最高の曲ができたと”絶対評価”して感じていても、”相対評価”では全然大したことない、つまらない、他に同じことをやっている人がたくさんいる、というものあるわけで。

いい悪いではなく、そういうものなのでそこを理解できる人、それを踏まえて発信するためには、やっぱり第3者による1stリスナーの存在って大きいのかな、と思います。

それがマネージャーだったりレーベルの役割なのかなと。あと僕のパブリシストの立場で考えると”曲を聴いてライターとして書きたいと思える文章が浮かぶかどうか”も大体事ですね。 

 

どうやって売るのかを考えると、それが音楽パブリシストに行きつくと考えてさいます。今の時代は特にね。どう売っていくか、どうPRしていくか、しかもお金をかけずに、を考えるのが大事だし楽しくもあります。

もちろんお金をかけるときもあります。その際はKPIを設定して投資効果を見極められるかどうかも意識していますが、プロモーションをやることそのものがバンドのモチベーションアップにつながることもあるので、そのあたりは臨機応変にですね。

 

・・・とまあこんな感じで半年経ってちゃんとアーティストに貢献できているのか・・・自問自答しながら過ごしている今日このごろですが、結局一番大事なことは担当するアーティストのことが、好きであるかどうか、信頼できるかどうかにかかっているように感じています。

理想論とかではなくて、そうでないとやっていけないんですよね。この半年間身にしみて感じました。

 


大分話が脱線しましたけど、Cプロも水面下でスタートしたよってことを再度お伝えして終わりますね。

女性バンドマン兼シンガーソングライターの方です。以前は他のレーベルからリリースをされていた方なんですが、縁あって今回ミオベルの仲間に加わってもらうことになりそうで。僕はこのアーティストを昔から応援していたこともあって、すごく嬉しく思いました。まだ設立して大した実績もないのに担当させていただけることに感謝するとともに一生懸命やろうと、思いました(もちろんほかのアーティストも同様です)

アウトプットが出るのは来年春なので大分先になりますが、またおいおい報告していきますね。

 

長文をお読みいただきありがとうございます。引き続きミオベルレコードをよろしくお願いします。