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Swiinging Popsicle LOUD CUTインタビュー

前作『Go on』以来、約2年ぶりにリリースされたSwinging Popsicleの新作『LOUD CUT』はPCゲームの"スマガ"の主題歌を手がけたことから派生したアルバム。なのでその主題歌はもちろんのこと、そこに使われているBGMに歌詞をつけた作品もあり。

 

とはいえこれは純然たる彼らの新作アルバムなので、後半は彼らのオリジナルで彩られている。そこには旧作の新録あり、リマスタリングされた作品あり。また新録は彼ららしいこだわりが伺われる、モノミックスだったりする。

 

そしていうまでもなくその全容はポプシクル・ワールドで、ゲームから派生したアルバムとはいえ、彼らのニュー・オリジナル・アルバムといってもおかしくない作品になっている。実は私は最初このアルバムをPCゲーム絡みのものとは知らずに聴き、なんの違和感もなく"ああ、ポプシクルらしい"と思っていたぐらいだ。

 

今回ラッキーなことに彼らに直接話を聞くことができ、よりアルバムの世界を身近に感じられるようになった。このインタビューによる追体験で、みなさんにとってもまたこの『LOUD CUT』がより身近なものになってくれたらうれしい。

 

取材・文 角野恵津子 撮影 黒須 誠

企画・構成 編集部

 

 

やったことないことをどんどんやっていきたいなっていうテーマが僕の中ですごくあって、ゲームの音楽をやったのもその流れの中だった(平田)

インタビューカット

──今回の『LOUD CUT』は、PCゲーム"スマガ"の主題歌をポプシクルが手がけたということがまずあって、そこから始まったアルバムなんですか。


平田 そうですね。"スマガ"と"スマガスペシャル"という、ふたつのPCゲーム の主題歌をやらせていただいて、そのゲーム自体の人気もありつつ、その中の音楽も評価が高くて、音楽的な盛り上がりがあったので、じゃあそこからスピン・ オフ(派生)した、ポプシクルありきの企画アルバムを作ろうかという流れになったんです。


──この"スマガ・スペシャル"の主題歌「Perfect Loop」が世に出たのは、最近なんですか。


平田 スマガの主題歌「(a)SLOW STAR」が去年で、スマガ・スペシャルの主題歌「Perfect Loop」が今年の6月ですね。


──じゃあこの2曲は、シングル感覚で作った楽曲なんですか。


平田 そうですね。実際シングルという形で発売はしてないんですけど、そのゲームのサウンド・トラックがあって、それには収録されます。


──その主題歌をやることになったのは、どういういきさつだったんですか。


平田 ニトロ・プラスという、ゲーム業界の中でも音楽に真面目に取り組んでいるレーベルがあるんですよ。そこからポプシクルに、その主題歌を作ってほしいというオファーがありまして、その流れでゲーム自体のBGMも僕が主体になって作ることになったんです。それを僕らはゲーム業界の音楽の作り方とは違うポップス・フォーマットで作ったんで、それがとても新鮮に響いたようで、2ちゃんねるのユーザーが選ぶ、音楽業界でいうレコード大賞みたいなのがあって、そこで去年1位が取れたんですよ。今までそこでニトロプラスの作品が1位を取ったことは1回もなかったから、それはなかなか素晴しいことだということになって。


──それはすごいことですね。


平田 そうですね。ゲーム音楽というのは、それはそれで独自のマーケットというか文化が存在してるんですけど、僕らはいわゆる音楽業界にしかいなかったから、そういう世界があるという事実を知らなくて、今回はいろいろ僕らにとっても新鮮なできごとが多かったんですね。


──その"スマガ"の音楽全てを、ポプシクルがやっているというわけではないんですか。


平田 細かくいうと主題歌はポプシクル、全体のサウンド・プロデューサーが僕。その中で、この曲は嶋田くんに書いてもらおうとかいう流れですね。


──じゃあもう全面、ポプシクルの音楽という感じですね。


平田 まあほとんど。ただ、他のアーティストも入ってるんですよ。大槻ケンヂさんとか、あとキューブっていう、今カスタネッツでドラム叩いている元セロファンの溝渕ケンイチロウくんが、カスタネッツとは別にもうひとつやってる女の子ポップのバンドとか、あといとうかなこさんという、オリコンでも左ページに入るような、その筋では有名な方とか。


──そういうミュージシャンの選択は、平田さんがやったというわけではないんですか。


平田 キューブを紹介したのは僕だったりするんですけど、大枠は決まってました。


──主題歌に関して、こんな感じの楽曲にしてほしいとかいう要望が先方からあったりしたんですか。


平田 まあ、ノレる曲が一番。


藤島 歌詞はメチャメチャありました。"スマガ"主題歌の「(a)SLOW STAR」の時は、ワンコーラス目はこういう感じで、ツーコーラス目はこんな感じでって、けっこう決まっていて、その中でワードを探していくっていう感じ でしたね。そこまでフィックスされたものは初めてだったんで、わりと苦戦しましたけど、出来上がったらすごい評判よくて、自分達が思い描いていたものを やってくれたっていう評価もしていただいたんです。だからまず"スマガ"の主題歌を作る中で、私も作り方がつかめてきたというか。なので今年になってやっ た"スマガ・スペシャル"の主題歌は、わりと御任せしますみたいなことでやらせてもらいました。


──今回この2曲に関しては、たとえば作る前に映像を見せてもらったりとかいうことはあったんですか。


藤島 ストーリーとかキャラクターのデザインとかは見せてもらいました。スクリプト(台本)とかも送っていただいて。なのでスクリプトを読み尽くして、そこから広げていくという。


──ざっくりとでもあらすじを知ってから聴くと、歌詞になるほどと思ったりしますね。

 

藤島 ゲームの中に出てくる曲なので音楽によって、より以上にゲームをやってるユーザーの気持ちを高めたいですよね。できれば泣いてくれたらという感じ で。そういう気持ちは、歌詞を書いててありましたね。

 

インタビューカット

──それはポプシクルの曲の作り方とは違うと思いますが、それはそれで面白かったり楽しかったりしました?

 

 そうですね。大変だったけど。ゲームの趣旨に寄っていくことが最終的には一番の目的だなと思ったんですけど、最初はそのコンセンサスを取るのが大変だったんですよね。「(a)SLOW STAR」を最初に書いた時は、作詩ポプシクルという名前も出てくるけど、ただゲームの主題歌を書くというお仕事ではない、つまり自分達の曲として出て行くんだったら、今までやってきたポプシクルのイメージと、そのゲームのイメージとがリンクすべきなのかそうじゃないのかというところで、すごく悩んだりして。だからワンワード置いていくことが、最初はすごくきつかったというか。でも書いていくうちに、もうその趣旨に従ってゲーム寄りにいこうっていうのがだ んだんはっきりしてきて、それがいいんだろうなって、自分の中で整理されていったみたいな。

 

──BGMっていうのも、こういう感じとかいう要望はあったんですか。それともわりと自由に作れたんですか。

 

平田 そうですねえ、わりと大きなイメージがあって、たとえば「Good Time」だったら、"ポプシクルらしいこじゃれた雰囲気にしてくれ"っていうような。で、ああ、こういうんだったらもしかしたらシマッチの方が、僕より もおいしいところ出せるかなみたいな。そういうのは嶋田くんにふってみたり。


──この「Good Time」はどんな感じで作ったんですか。

 

嶋田 ゲームのキャラクターの女の子がいるんですけど、そのイメージで。それとたとえばちょっとボサノバっぽい感じとかいう、漠然としたキーワードをいただいて、それで自分なりにイメージを膨らまして、僕だったらこうするなっていうのを作ったんですよね。

 

──単にポプシクルの作品として作曲する時と違って、そういう要望をもらうというのはどうなんですか。

 

嶋田 逆にコンセプトがはっきりしてる分、発想がしやすいというのもありますね。 ポプシクルだと、じゃあ、将棋のコマを次どう進めるかみたいに、選択肢が広いわけじゃないですか。だけどアニメでキャラクターが決まっていると、発想がし やすい。だからわりと安産で、スルッとできましたね。意外とこっちの方が得意なんじゃないかな、なんて。でもポプシクルのオリジナルの作り方っていうのは 毎回毎回、ああでもないこうでもないって考えながら作ってる部分もあって、それもまた楽しいですね。両方違うベクトルの楽しさがある。だけど今回は面白かったです。

 

──BGMに詩を乗せたっていうのが4曲ありますけど、それは"スマガ"の主題歌から膨らましてアルバムを作ろうってなった時に、じゃあBGMにも言葉を乗せてみようということになったんですか。

 

平田 そうですねえ。まあ去年から、やったことないことをどんどんやっていきたい なっていうテーマが僕の中ですごくあって、去年はメキシコ行ってライヴやったりとか、ツーデイズのワンマンを初めてやったりとか、ゲームの音楽をやったり というのが、そういう流れの中であって、BGMに藤島の歌を乗せたらどうなるっていうのも、単純にやったことないからやってみたいという。で、メーカーに持って行ったら「あ、いいね、やりましょうか」という感じでしたね。


──藤島さんとしてはその、BGMに詞をつけるというのはどんなふうにやったんですか。

 

藤島 『LOUD CUT』の曲順がクロニクル的になってるというか、前半は全部スマガ系のもので、間にインストを挟んで、後半は私達のオリジナル曲があるというふうに、一 応別れてはいるんですけど、スマガ系の方はやっぱりゲームに添ってるというか、そこから発生してるところが多いんですよね。「静寂と流星」だけは平田クン が前にやってたオーロラ・ノートっていうバンドの曲をあとからBGMに使用したので、そのオーロラ・ノートの吉田クンの作った歌詞を、そのまま私が歌ったんですよね。だからそこだけはちょっとコンセプトが違うかも知れないですけど、今回書き下ろした歌詞に関しては、全部ゲーム寄りにしてます。

 

──じゃあ、言葉もゲームと無関係ではないというか。

 

藤島 そうそう。主題歌ほどではないけど、やっぱりちょっとほんのりテイストがあるように、全部そっちふうにしたつもりなんですけどね。

 

──「くるり桜ひらり」はいとうかなこさんという、その筋では有名な方に提供した作品なんですね。

 

平田 いとうかなこさんは、そのニトロ・プラスというゲーム・メーカーの看板歌姫で、さいたまスーパーアリーナであったアニ・ソンのサマー・ソニックみたいなイベントでも歌うような人なんですけど、その人にポプシクルのメンバーが曲を 書こうという企画があって、それで書き下ろした曲です。

 

 

 

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Swinging Popsicle オリジナルアルバム(仮) Loud Cut
 待望のコンセプトアルバム LOUD CUT

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