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MEET MUSIC Vol.18　溝渕ケンイチロウ

 

 

 

 

selected by 溝渕ケンイチロウ（ザ・カスタネッツ／Qube　

DQS／KGSS ON THE PEAKS）

その先にある美しさ

──オススメの名盤を３枚教えてください。

 

決して押し付けがましい訳ではないのに、自分と地平線までの道がスーっと１本通ってしまうような。

それをいわゆる「ザ・人力」「ザ・バンド（THE BANDではありません）」の形態で表現していないモノ。

卓越されたシーケンスとエディット、生楽器との融合。

フレキシブルなユニット感で、自由に音楽を作っている人たちを、あえて選んでみました。


どこか1小節だけが妙にポップであったとすれば、ボクはそれがその曲の印象として強く残ってしまいます。

基本的には微妙なバランスだけど、どこか一箇所がカワイイと、その女の子の印象がキャッチーになるのと

同じノリかもしれません。ニッチかもしれませんが、ボクはそこにポップさを感じるのです。

 

 


１枚目

ゼアズ・ミー・アンド・ゼアズ・ユー　Herbert, ザ・マシュー・ハーバート・ビッグ・バンド

2008/12/24 release

There's me and There's you

the MATTHEW HERBERT BIG BAND

 

ボクが強烈にシンパシーを覚える男「マシュー・ハーバート」のプロジェクトです。初めて彼の音に触れたのは、1998年の「AROUND THE HOUSE」と言う12インチ盤です。当時、日本では全く市民権を得て居なかったクリックハウス（あくまでハウスのカテゴリーにおいての話です）に、歌を乗せて、キャッチーに昇華させた名盤。

彼はその時々において、複数の名義を使い分けて、その都度、挑戦的なサウンドスケープを残してきています。

　　　　　　 　　　　　　　　　　　

その振れ幅や、音楽的基礎知識の高さ、クラブミュージックへの造形、ポピュラリティーミュージックへの造形。

彼のどの名義、どの音源を聴いても素晴らしいのですが、あえてこのアルバムです。

ハーバートの織り成すビッグバンド！まさにメリーゴーランドですよ！ハーバートはいつもボクを、ここではないどこかに連れて行ってくれます。

２枚目

Everything She Touched Turned Ampexian [解説・ボーナストラック付き国内盤]

2009/04/01 release

Everything She Touched Turned Ampexian
prefuse73

 

米国人・スコット・ヘレンのソロユニットです。彼も才人の中の才人。どうやったらこうなるのか？

真面目に考えだすと嫌になるほどのエディットとプログラミング。そのコラージュの完成度は異常です。

ジャズとヒップホップに造形が深い彼ならではのポップ尺度は、ニッチポップこそがポップだと考えるボクにはストライク。生楽器主体の別名義「サヴァス＆サヴァラス」で見せるコラージュの美しき世界観も素晴らしいのです。

　　　　　　 　　　　　　　　　　　
 迷宮に入り込んでしまったのだけれど、出口への道筋を間違わずに歩けているような、そんな安心感のあるドリーミーなサイケデリック。コラージュエディットされて、音が刻まれれば刻まれるほどに、彼のエモーショナルな熱さを感じてしまいます。

３枚目

Map of What Is Effortless　テレフォン・テル・アヴィヴ |

2004/01/27 release

Map of What is Effortless

Telefon Tel Aviv

 

ユニットの双璧の一人、チャーリー・クーパーは、2009年に30歳の若さで逝去されています。


若き才人の紡ぎ出す音をこれからも聴いていきたかったので、とても残念でなりません。

このアルバムにおける彼らのサウンドプロダクツは秀逸で、1曲目から早くも、その世界観に引きずり込まれます。

美しい楽曲と、切り裂くようなプログラミングエフェクト。

　　　　　　 　　　　　　　　　　　

大爆音で聴ける環境があるなら、是非とも聴いて頂きたい！感動で熱くなるはずです。

こんなにドラマティックで美しいのに、どこかに冷たい肌触りが残る。こんな名盤を自分も作ってみたいものです！

 

──名盤との出合いで印象的なエピソードなどがあれば。

 

ボクはいまだに、輸入盤屋さんで12インチのレコードをわりと買っています。どんなジャンルの音楽にせよ、この時代に12インチを作ってリリースしているアーティストには共感が持てるし、強いこだわりも感じます。12インチを作りながら、一方では配信も行っているような。そんな感じで音源をドロップ出来れば理想ですよね。

 

今はネットで試聴も出来るので、レコード屋で実際にモノを手に取って、直感にビビッと来るような、そんな音源との出会いも減っている気がしています。ボクはまずジャケ買い。これです。あとは、自分がずっと好きなレーベルのモノを買うこと。知らないアーティストであっても。たまには大外れで「名盤との出会い」とは程遠いこともあります。しかし、その逆で、めちゃくちゃイイ音源に当たった場合は、しばらく嬉しかったりね。故に、その音源に対しては想い入れも強くなってしまうので、おのずと「自分の中での名盤」にカテゴライズしがちです（笑）

 

普段は、本当に色々な音楽を聴いています。

いま自分がやっているバンドの幅を見てもらえれば分かって頂ける気がします（笑）

 

 

 

──リスナーに向けて一言お願いします。

好きなバンドや、好きな音源なんてものは、自分が気に入っていれば、それでOKなんだと思います、その音源の世間的な評価や風評ではなくて。聴いている瞬間は、確実に自分をどこかに連れていってくれるような音楽やライブ。1曲3分とするなら、それは3分間の旅。旅の途中で見る景色は様々で、感情を揺さぶります。新しい景色やヒントを得たいから、また旅に出る。その繰り返しです。単なる音楽好きとして、ボクが音楽を聴き続けているように。恐らく、ここをご覧の皆さんもそうなのではないか？と思っています。

 

 

 

──ありがとうございました。

 

 

 


＜作品情報＞

Kompas　ザ・カスタネッツ

 

Kompas／ザ・カスタネッツ 2009年7月8日発売
  

　01. 感情
　02. トム
　03. 203
　04. Snoozer
　05. 君を想う
　06. マチビトマチ　



＜ライブ情報＞

DQS

7台ドラムの衝撃が帰ってくる

 

出　　演：DQS　

　　　　　Dr1：溝渕ケンイチロウ（ザ・カスタネッツ、KGSS ON THE PEAKS、Qube）
　　　　　Dr2：山口幸彦（ハックルベリーフィン）

　　　　　Dr3：高橋浩司 （HARISS、ex.PEALOUT）、
　　　　　Dr4：みん（ネモトラボルタ、MALCO）

　　　　　Dr5：ヤマザキタケシ（メレンゲ）、
　　　　　Dr6：小関哲郎（about tess）

　　　　　Dr7：大坪徹志（hare-brained unity、THE  ANDS）

　　　　　サポート　藤田顕（PLECTRUM）／平田博信（Swinging Popsicle）

　　　　　　　　　　　 堀越和子（GOME THE HITMAN）
日　　時：2011年9月7日（水）　開場：18:30　開演：19:00
会　　場：下北沢CLUB Que
チケット：前売 3,300円／当日 3,800円（＋１ドリンク）
予　　約：DQS　drums.quick.service@gmail.com　まで。

 

 
e style="height: 180px;" border="0" cellspacing="0" cellpadding="3" width="511">
<tbody>
<tr>
<td style="width: 150px; height: 150px;" valign="top">
<p>
                <span style="color: #000000;"><strong>V.S.G.P</strong> <strong>／黒沢健一</strong><strong>&nbsp;</strong></span><span style="color: #000000;">　2010年12月15日発売 2枚組み
                </span>
<p>&nbsp;</p>
<p><span style="color: #000000;">
                    ディスク１　STUDIO
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    01. What is this song?
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    02. Package
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    03. 方舟
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    04. Keep the circle turning
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    05. Walking on a rainbow
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    06. Love is real?
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    07. Northern town
                </span></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><span style="color: #000000;">
                    ディスク２　LIVE
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    01. Equinox
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    02. 7voice
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    03. Remember
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    04. What is this song?
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    05. September rain
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    06. Package
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    07. Keep the circle turning
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    08. Wondering
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    09. Love is real?
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    10. Hello it’s me
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    11. Grow
                </span></p>
<p><span style="color: #000000;">
                    12. Northtown christmas
                </span></p>
<br />
<p>&nbsp;</p>
<p><span style="color: #000000;">2009年秋に行われたシアターライブより、ストリングスセッション音源を12曲抜粋した1枚と、そのライブ音源をベーシックに新たにスタジオにてダビングを重ねた実験的な音づくりに挑んだ全く新しい1枚。</span></p>
<p>&nbsp;</p>
</p>
<p>&nbsp;</p>
</td>
</tr>
</tbody>
</table>

 

 

 

 

溝渕ケンイチロウ

（ミゾブチ　ケンイチロウ）

ザ・カスタネッツ：2001年~現在、Qube：2006年~現在、DQS：2010年~現在、KGSS ON THE PEAKS：2011年~現在、Twilight Set：2011年~現在、セロファン：1993年~2004年。

20代の中頃にポリドール（現ユニバーサルミュージック）、30代の頭にドリーミュージック。そこでの音楽活動を経て、現在は気の向くままに音楽と登山で日々を邁進。フェイバリットは、登山、自転車 4台、読書、ドライブ、サッカー、写真、カレー、ラーメン、ボウリング、搬入、撤収、パトロール、不動産チェック、部屋の模様替え、研磨、出汁作り。

 

 

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2011年8月14日

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