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HARCO『ゴマサバと夕顔と空心菜』発売記念インタヴュー

70年代頃の日本のポップスの作られた現場にはすごく憧れがあります。

──全体のレコーディングは、さっき話してくれた青木くんの自宅スタジオで?

 

HARCO 「そうです。今のバンド・メンバーがすごくしっくりきていたので、今回は最初からバンド・サウンドでやろうって思っていたんですよ。だから、ちゃんとしたスタジオで録音しようかな?ってアイデアも当初はあったんです。今の僕のバンドのドラマーはロンドンに長く住んでいたことがあって、すごくタイトないいドラマーなんですけど、僕もドラムを叩けるので、結局自分で自宅で叩いてしまおうかってことになって。でも、今回は元ゲントウキのベースのイトケン(伊藤健太)と、ギターの石本大介くんがプレイヤーとしてすごく貢献してくれたんですよ。いいバンド・サウンドで作れたのも二人がアレンジ面で一役買ってくれたことが大きかったですね」

 

──その自宅のスタジオはサウンド面でどういう特徴があるんですか?

 

HARCO 「特徴……う~ん、あまりそういうのを考えたことないなあ(笑)。ただ、前作からの間にマイクとかヴィンテージのアンプとかケーブル関係とか……かなり機材は揃えましたね。結構いいものを買いましたよ。新しいものも含めて。やっぱり自宅にスタジオがあるとすぐに音を出せるのがいいですよね。あと、うちはミュージシャン夫婦なんで、机を隣り合わせて作業をするようなことはできないんですよ。当然、音が干渉され合っちゃうから。けれど、扉にも防音施工してあるので、閉めてしまえば互いの音が聞こえない。それもすごくいいですね(笑)。とはいえ、今回のアルバムにも妻はコーラスで参加しているんですけど(笑)」

 

──スタジオに名前ってあるんでしたっけ?

 

HARCO 「HARCO Home Studioですね(笑)」

 

──そのままですね(笑)。

 

HARCO 「あがた森魚さんは、かつての僕の部屋に“ディスカヴァリー・スタジオ”って名前をつけたりしてましたけどね……そのあがたさんとももう10年くらいのおつきあいなんですけど、今回あがたさんの持ち歌で、オリジナルはエルヴィス・プレスリーの[冷たくしないで]をカヴァーさせてもらいました。あがたさんの60周年ライヴで聴いた時に“この曲やりたいな”って思って。で、あがたさんに声をかけて、一緒に歌ってもらったんです。当時のあがたさんのアルバムでのアレンジは細野晴臣さんなんですけど、それがまたいいんですよね」

 

──その細野さんや大滝詠一さんは郊外に自分のスタジオを持ってらっしゃったりしたじゃないですか。そういう感覚が青木くんの今回のアルバムにも受け継がれている感じがしますね。

 

HARCO 「細野さんは狭山にあった『HOSONO HOUSE』ですね! あの70年代頃の日本のポップスが作られた現場にはすごく憧れがあって。僕、75年生まれなんで、親近感もあるんです。今、牧村憲一さんの『ニッポン・ポップス・クロニクル 1969-1989』を読んでるんですけど、最近はことあるごとにあの時代に作られたポップスのことを考えたりしていて……。ところで、どういうわけか、僕、こういう手応えのある歌ものアルバムを、5年かけてスランプも乗り越えて作っておきながら、全然内容の違うインスト・アルバムを今作りたくなっているんですよ(笑)」

僕、タイプはCもあるってことですかねー(笑)。

──青木くんはいくつかのチャンネルを持ってますよね。それを一本化することは難しいのですか?

 

HARCO 「ねえ、どうなんでしょうね。HARCOの中にはタイプがいくつかあって、Aタイプは今回のアルバムみたいなポップス。Bタイプはエレクトロ要素が強くなるインスト系。今回のアルバムの[TIP KHAO]なんかはちょっとBタイプが出てきちゃってる(笑)。もしかすると自分はBタイプが本流で、Aじゃないのかも?とかって思うんですよね。で、実はこのアルバムを作り終えた頃からずっとBタイプの自分が出てきて、次は絶対にインスト・アルバムを作ろう!って最近まで思っていたんですけど、急に5日くらい前からAタイプに戻ってきた(笑)。やっぱこの今回のアルバムの路線だろう!って(笑)。きっかけはリヴィングストン・テイラーのアルバムで、ふっと聴いた瞬間にAタイプに振り戻されて……いくつになっても一つにフォーカスできないという。でも、なんだかんだ言って、歌ものもインストもパラレルに自分の中に存在するっていうのは、自分の強みだなとは思いますね」

 

──で、結局次はインスト・アルバムを出す、と。

 

HARCO 「いや、とりあえず6月には子供向けの曲を集めたアルバムを出します(笑)。これまで作った曲がたくさん集まったので。実は、6月と7月の2ヶ月間、『NHK みんなのうた』に決まったんですよ。僕とひばり児童合唱団の佐藤徳之丞くんと二人で歌っているんですけど。そういうこともあってちょうどいいタイミングではあるんです……だからそうですね、その子供向けの曲とかも好きだから、僕、タイプはCもあるってことですかねー(笑)」

HARCO作品

HARCO ゴマサバと夕顔と空心菜

HARCO

ゴマサバと夕顔と空心菜

2015年4月22日リリース

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HARCO Lamp&Stool

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2010年08月25日発売

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HARCO Portable Tunes2

HARCO

Portable Tunes 2 -for kids&family-

2015年6月3日リリース

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LIVE INFO

アルバムリリース記念・東名阪バンドツアー『ゴマサバと空心菜と雲呑と烏龍茶』

 

2015年6月05日(金)大 阪・Music Club JANUS 

18:30 Open / 19:30 Start Special Guest:杉瀬陽子

 

2015年6月07日(日)名古屋・TOKUZO 

17:00 Open / 18:00 Start Special Guest:杉瀬陽子

 

2015年6月13日(土)東 京・吉祥寺Star Pine's Cafe 

17:00 Open / 18:00 Start 

 

 

■バンドメンバー

HARCO[vo,piano,etc]

伊藤健太[bass]

石本大介[guitar]

榊原大祐[drums]

 

詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

<HARCO プロフィール>

青木慶則のソロ変名ユニット。シンガーソングライターでありながら、キーボード全般、ドラム、マリンバなど多くの楽器が演奏できるマルチプレーヤー。TV&ラジオCMの作曲や歌唱でも注目を集める。近年は、NHK「みんなのうた」2015年6-7月の放送曲「ウェイクアップ!パパ!」、NHK Eテレ「Eテレ 0655」のおはようソング「きょうの選択」、テレビ東京系列「しまじろうのわお!」のオープニング曲などの歌唱を担当し、幅広い年齢層に響く歌声を持ち味としている。2014年はチャリティ・ミニアルバム『南三陸ミシン工房うた』を、2015年4月22日には5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『ゴマサバと夕顔と空心菜』をリリースし、好評を博す。初のファミリー向けアルバム『Portable Tunes 2 -for kids & family-』を6月3日にリリースするなど、精力的に活動中。

 

 

 

関連リンク

ハルコレート - HARCO Official Web Site -

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掲載日:2015年6月4日

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