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山田稔明 新しい青の時代 発売記念インタヴュー

ゴメス・ザ・ヒットマンの山田稔明さんから待望の新作『新しい青の時代』が届けられた。七夕の日に全国リリースされた本作品はソロ活動6年目を迎える彼に曰せれば「最高傑作」と言われた前作『home sweet home』を更にアップデートした「最高傑作」の作品としてリリースすることができたのだそうだ。その真偽については実際に音を聴いて判断いただきたいが、16年(インタヴュー当時)ものキャリアを積んでいる彼が先のように公言できるということは、少なくともミュージシャンとしては最も脂がのっている時期と言っていいだろう。幸いにも本作品は山田がソロ活動に移行してから初の全国流通盤となっており、それに合わせてレコ発ツアーもギター片手に全国各地で行うとのこと。このインタヴューが新しい青の時代の幕開けに関し一翼を担えたら幸いである。

 

企画・構成 黒須 誠/編集部

撮影 山崎ゆり

 

※本インタヴューは2013年7月19日に発売されたPopsicle Clip. Paper+vol.2に収録されたものをリリース1周年を記念して再掲載したものです。

山田稔明 最新作

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山田稔明(ゴメス・ザ・ヒットマン)

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2013年7月7日リリース

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2014年7月7日リリース

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山田稔明のセルフタイトルアルバムを作ろうと思ったんです。

──新作『新しい青の時代』はソロオリジナル作品としては3枚目になります。制作にあたりテーマなどがあれば教えてください。

 

山田稔明(Vo,G) 「テーマというか「山田稔明の山田稔明」というセルフタイトルを作ろうというのが大枠のコンセプトとしてあったんです。だからこれまでの2枚の「旅」、「家路」のようなキーワードを持って作るのとはちょっと離れて、できた曲をそのままアルバムにパッケージしていくといった感じになっていますね。前の2枚は出すのに結構時間がかかってしまって、5年分の自分を出した2枚だったんです。だからこれらを出し切ったあとの山田稔明というので、何も考えないで曲を作りはじめて・・・またライヴをたくさんやるようになったので、色んな街に行ったときに街の風景を見て書いた曲や日常から浮かんできた歌を丁寧にパッケージしていこうかなと、それだけだったんですよね」

 

──しかしアルバムタイトルは別のものになりました。

 

山田 「アルバム作り始めて「山田稔明の山田稔明(仮)」でゆっくりと録りはじめて・・・ただどこかのタイミングで“山田稔明の山田稔明というセルフタイトルのアルバムは人生で一回しか出せないよな”と思ったときにこのアルバムじゃないかもしれない、と。それでこの作品に一つの時期というか季節みたいなものをつけたくなったんですよ」

 

──ブログなどでもつい最近まではアルバムに名前がついていなかったですよね。『新しい青の時代』という名前はどこから?

 

山田 「名前をつけたのは最近なんです。最初はいいタイトルが思いつかなくて・・・僕は色の中で青が一番好きなので、山田稔明「Blue」としたら名作っぽくていいかなと思ったんですよ。ジョニ・ミッチェルの同名タイトルもあるしいいんじゃないかと。ただ周りに聞いてみたら反応がイマイチだったんです(笑)。その後しばらくしてからあるとき「新しい青の時代」が浮かんだんですね。青の時代といえば、画家のピカソの「青の時代」という作品を調べたときに、ピカソの「青の時代」というのは親しい友達を亡くしたときに悲しみに暮れたピカソが悲しみを青の絵の具で表現したというのがあって・・・実際今回のアルバムを作る原動力が何だったのかを思い返したときに3月11日の地震だったりするんですよ。僕もあの直後立ち上がるまでには時間がかかったので、そのときの悲しみを尽くすところから始まっている点では共通点があるなと思ったんです。でも僕の「新しい青の時代」に関しては、悲しみだけではなくて空が青い、海が青い・・・前向きな希望的な観測を入れたくて「新しい」という形容詞をつけたんです。その後自分の歌詞を見返すと楽曲の中に「青の景色」がたくさんあることにも気づいて。それでこのタイトルは呼ばれたんだろうなと」

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