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黒沢健一

今回の特集記事は6月12日に4年ぶりとなるオリジナル・スタジオ・アルバム『BANDING TOGETHER in Dreams』をリリースした黒沢健一。当サイトでは2011年のMEET MUSIC Vol.13以来の登場となる。前作の『Focus』リリース直後から書き溜め続けてきたという40曲もの楽曲から、今回のアルバムのタイミングで残ったという10曲の多くは過去のライヴでは何度か披露されてきたものの、スタジオ作品として発表されるのは今回が初めてとなる。

 

早耳リスナーの間では以前から人気のあったM4の「Rock'n Roll Band」はもちろんのこと、イントロのギターがまるでドライブに出かけるかのように爽快なM1「Return To Love」、次々と繰り出すギターのカッティングからピアノの疾走感溢れるメロディが特長のM3「So What?」、ここ数年の弦カルテットとの共演の成果なのか、ストリングス・サウンドが心地良く活かされているM7の「I'm In Love」など、現在の黒沢の全てを詰め込んだ作品に仕上がっていると言っていいだろう。

 

また特筆すべきこととして本作品には、約20年ぶりにL⇔Rのメンバーである黒沢秀樹、木下裕晴、嶺川貴子の3人が全員参加しているほか、遠山 裕、岡井大二、菊池真義など彼の音楽キャリアを支えてきた多くの仲間もゲストミュージシャンとして登場している。これは予定調和的なものではなく、あくまで黒沢の歩み続ける一本の道に20年の時を経て仲間が自然と寄り添ってきた「結果」であり、彼のキャリア上大変意義深いアルバムになっていることも忘れずに記しておきたい。

 

今回の特集は編集部による黒沢本人へのインタヴューに加えて、L⇔R時代のプロデューサーである牧村憲一さんによるディスク・レヴュー、そして5人のミュージシャンによる応援コメントの三部構成となっている。なお応援コメントについては当サイトが日頃からお世話になっている方々にお願いをした。ご協力をいただいた皆様には改めて感謝申し上げたい。本特集を通じて黒沢健一の作品が一人でも多くのリスナー・ファンに愛されることを願ってこの文章を終えさせていただくこととする。 

 

インタヴュー・文 黒須 誠/編集部

撮影/山崎ゆり(編集後記)

写真提供・取材協力/24th Floor Records

編集後記はコチラ

そのうちまとまるだろうなという感じでプリプロダクションをはじめたんですよ。

──ニュー・アルバムの発売おめでとうございます。今回の『BANDING TOGETHER in Dreams』は、昨年12月にリリースされた前作『Alone Together VOLUME ONE』から半年とハイペースなリリースとなりますが、本作品はいつ頃から制作をされていたのでしょうか?

 

黒沢健一(Vo,G) 「『Focus』というアルバムを4年前に出して、その直後から曲を作りはじめていましたね。僕の場合アルバムに向かっていくというより、とりあえず新曲を色々作ってライヴでファンの方に聴いてもらったり・・・だからどういうアルバムになるのかというコンセプトはまだまだ先の話で、そのうちまとまるだろうなという感じで遠山さんとプリプロダクションをはじめたんですよ」

 

──前作から半年と間をあけずにリリースされたものですから、黒沢さんのいつものペースと比べて少し驚きまして(笑)

 

黒沢 「確かに(笑)。ただ僕は色々なことをずっと並行してやっているタイプなので。4つ位のプロジェクトをずっとやっていて、あっちいったりこっちいったり・・・だからリリースのタイミングが合っちゃうといっぺんに出たりとか(笑)。長いタームで色々なことをやりながらその間にちょっとライヴをやったりしているだけなんで・・・何もしていないように見えると思うんですけど少しずつ作ってはいたんですよ(笑)」

 

──このアルバムはここ数年リリースされていた『V.S.G.P』シリーズなど、ライヴ音源をベースに作り上げたものとは違う、『Focus』の次にあたる作品という理解で合っていますでしょうか?

 

黒沢 「そうですね、オリジナル・アルバムとしては。『V.S.G.P』シリーズはライヴ盤を作ろうという話から始まって、スタジオで色々とやっているうちに、“音を重ねてライヴ盤をベーシックにした何か面白いものができないか?”というアイデアから。『Alone Together VOLUME ONE』も一人アカペラっていうお題ができてそのサウンド・トラック盤として作っていたものなので、オリジナル盤を作るのとはまた別の感じですよね」

 

今回は特にこれっていうのはないんですけど、やっぱりチャレンジですよね(笑)

──『Alone Together VOLUME ONE』のときは「一人アカペラ」というテーマがあって、『V.S.G.P』のときは「ライヴ音源の上から新たにダビング録音する」といった試みがあるなど、黒沢さんにとって新しいチャレンジがありましたが、本作品ではいかがでしょうか?

 

黒沢 「うーん、今回は特にこれっていうのはないんですけど、やっぱりチャレンジですよね、新作を作るっていうのは(笑)。自分でもどんな曲ができるかわからないし、レコーディングをしてみないとわからない部分があるので。色々やってきた中で、結果的にできたものによって自分が教えられていく感じが結構あるのでね。細部に渡っていけば色々あるんでしょうけど・・・。ただ、レコーディングの幅は昔から比べると広がったと思いますね。それこそL⇔Rのときは大きなスタジオで全員で録音していたとはいうものの、例えば一発録りにしてもそうだけど、やれることがスタジオに制限されていたんですよ。今はPRO TOOLS という機械があって大きなスタジオでも可能だし、小さなところでも可能で自由さがありますよね・・・その場でしかできないこと、例えばある小さめのリハーサル・スタジオですごく面白い音が出るドラムがあってもそれをレコーディングすることが逆に大変だったりしたんです。そういうことが今はないので、昔に比べて楽になりましたね。あと“なんかこの部屋めちゃくちゃアコギの音の鳴りがよくない?”、というときにその場でマイクをセッティングして録れるし・・・色々選べるようになりましたね」

 

──話を少し戻しますと今回新作をリリースすることになったのは、作りためた曲がある程度固まってきたからということなのでしょうか?

 

黒沢 「それもありますし、まずライヴがあって・・・今度のライヴをバンド形式でやろうという話があって、じゃあその前に何かファンの方に出せたらいいなと。これまでもライヴで色々と新曲は披露してきたんですけど、それのスタジオ・バージョンで作ろうかなと・・・段々話がまとまってきたんですよね」

 

──ライヴと言えば今回は久しぶりのバンド・スタイルですが、心境の変化でもあったのでしょうか?

 

黒沢 「いや、今回はアルバムをバンド・サウンドで出すから久々にみんなで集まってやろうという、ただそれだけですね(笑)。最初に決め込んで考えてやるタイプではないんですよ(笑)。ああしよう、こうしたいとか、自分が生活をしていてあっちいったりこっちいったり、興味のある方向に気が向いていく方向に動いていくとだんだん形になってきて・・・後から理由付けはしているんですけど、結果論ですね(笑)」

 

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